藍、開幕2連勝!全力で掴んだ44年ぶりの快挙
11番で6m、12番では12mをねじ込んだ。続く13番パー5では、5mがカップに沈む。勝負所で3連続バーディを奪って通算10アンダーとし、トップに並んだ宮里藍。しかし、次の14番ティで異変は起こった。
「13番のバーディパットが決まって、気持ちが高ぶったのか、凄く暑く感じて一瞬具合が悪くなった」と宮里は振り返る。ティショットを奥のフリンジに外すと、そこからパターで寄せるも1mのパーパットを外してしまう。それでも、「そこをぐっと堪えられたので、残り数ホールを耐えられたのだと思う」。想像以上の重圧が宮里を襲っていた。
「HSBC女子チャンピオンズ」最終日、2週連続優勝の期待が掛かる宮里は、首位タイで最終組からスタート。「最終組は久しぶりだったし、プレッシャーが無いわけではなく、落ち着いているけど噛み合っていなかった」。2連続ボギーという最悪の立ち上がりとなってしまう。
「自分が思っている以上に緊張していたのかも知れないけど、それを受け止めることが大事だと思った」と宮里。3番のパーパットがカップの淵を一周してカップに沈むと、4番、5番は連続バーディ。いつもの宮里らしさが戻ってきた。
16番でバーディを奪って再び通算10アンダーとした宮里に対し、首位に並んでいたクリスティ・カーは17番、そして18番で連続ボギー。宮里が最終ホールを迎えた時には、2打のリードが出来ていた。最終ホールのグリーン脇では、先にホールアウトした横峯、諸見里、有村、宮里美香がその瞬間を見守る。グリーンに向けて放った宮里の第2打は、ピン下2.5mのバーディチャンスにぴたり。「本当に凄い…」。有村がぽつりとつぶやいた。
LPGAツアーで1966年以来となる開幕戦からの2連勝を達成した宮里。「重圧の中で自分のやるべき事をやれたのは大きい。今後にとって大きな経験になる」と、達成感もひとしおだ。今夜はどうやって祝福するのか?と聞かれた時に本音が覗いた。「今日は疲れたので、すぐに寝ます(苦笑)」。全身全霊で掴んだ今季2勝目だった。