藍、困惑の表情も表彰式では満面の笑みに!
国内女子ツアー「SANKYOレディースオープン」の最終日。首位と5打差のイーブンパーからスタートした宮里藍は、逆転の可能性を信じてスタート。1番でピン横2mからのバーディパットを決め、この日詰め掛けた8,160名のギャラリーに、追い上げ開始を告げる“おはようバーディ”で幕を開けた。
4番でボギーを叩いたが、5番ですかさずピンの左1.2mにつけるスーパーショットでバーディ。さらに8番パー3でもスコア伸ばし、首位を走る全美貞(韓国)に少しずつプレッシャーをかける。後半に入っても10番、11番で連続バーディを奪い、13番パー5でこの日6つ目のバーディを奪い5アンダーまでスコアを伸ばした。
この時点で全は8アンダーまでスコアを伸ばし、ギャラリーの期待も序々にトーンダウンしていく。15番では、2打目はカップの淵に当ったが、ボールは無情にもグリーン奥の斜面下へ転がり落ちた。それでも諦めない宮里は、およそ5m残ったパーパットをねじ込み力強いガッツポーズを2回行なう。
16番パー3はティショットがグリーンをオーバーすると、2打目も寄せきれずボギーを叩き、そのまま4アンダーで3日間のラウンドを終えた。「あの時点では、優勝は諦めていました。18番グリーン奥のアテスト場にいましたが、ミジョンが18番で池に入れたって聞いて、急に緊張してきました」。クラブハウスに引き上げようとした宮里だったが、状況が一変しプレーオフの可能性のあるということで、体を動かし始めた。
その後、宮里も予想しなかった全の2ホール連続ダブルボギーで逆転優勝が決まり、困惑した宮里の表情をテレビカメラが捉えた。表彰式でインタビューに答える宮里は「まさか勝てるとは思っていなかったので・・・」と素直な感想を語った。
表彰式後の会見では「このコースのセッティングなら5打差は、通常の試合の2打差程度に考えていたので、最後まで諦めずにプレーしました。今の自分のゴルフの状態なら勝てるかもしれないと思っていたので、本当に嬉しいです」と笑顔で語る。
宮里は今季7月の「エビアンマスターズ」で米ツアー初勝利を挙げ、今回の優勝は国内ツアーでは3年ぶりの通算15勝目。日本ツアーのシード権もノドから手が出るほど欲しかった宮里にとっては最高の結果となった。