惜敗の藍、2オン狙いの池ポチャも「後悔はしていない」
「サムソンワールド選手権」最終日。首位のチェ・ナヨンに3打差、十分に逆転を狙える位置からスタートした宮里藍は、スタートホールの1番で2.5メートルのパーパットを残すピンチを迎えるが、これを沈めてパー発進。ガッツポーズを見せ、序盤から気迫を全面に出すプレーを見せる。3番、4番でもグリーンを外すなど、スコアメイクに苦しむ展開が続く間に、1つ後ろの最終組を回るチェが快調にスコアを伸ばし、一時は7打差まで開いてしまう。
だが、「上がいくつ伸ばしても、自分がどう頑張れるか。後半には難しいホールが続くので、バックナインでどうなるか。自分にもチャンスがあると思っていた」と、冷静に自らのプレーと対峙。7番では1メートル、8番では4メートルを沈めて連続バーディを奪い、ここから追撃体勢に入る。
宮里の予想通り、後半に差し掛かりチェの流れが急変。9番から3連続ボギーを叩くと、15番でもボギー。対する宮里は、12番、16番とバーディを重ねて通算16アンダーとし、15アンダーまで落としたチェを一気に逆転。単独首位に躍り出る。「17番で確認はしていました」と、自らのポジションを知った中で迎えた、最終18番パー5。ピンまで203ヤードのセカンドを残し、手にしたのは5番ウッドだった。「刻んでもサードが難しくなると思ったので、(グリーン右の)バンカーから寄せたかった。難しくはなかったし、グリーンを捉えてバーディなら、すごく良い勝ち方だと思った」。だが、少しフックが掛かりすぎたボールはグリーン手前の池へ消え、残り64ヤードの4打目もピンを5メートルオーバー。これを外してボギーとし、最終ホールをバーディとしたチェに逆転勝利を許す結果となった。
「勝負どころで勝負に出たので、後悔はしていません。難しいコースだし、15アンダーを出して勝てなかったらしょうがないですね」。その表情に、悔いる様子は見られなかった。会見場で海外メディアから「悔しくないのか?」との質問が飛ぶと、「負けたことは負けたけど、やるべきことは全部やった。最後は自分のミスで負けたわけだから、受け入れているし、これを勉強として次は勝てるようになると思う」と、しっかりと前を見据えて答えた。「レイアップすることもスマートではあったけど、自分は自分のプレーをしっかりしたという自信が、今はあります。こういう経験を積んで自分のプレースタイルが出来上がってくると思う」。ツアー2勝目こそ逃したが、次の成長に向けて大きな経験を得た週末となった。