藍は勝利を逃すも、大きな自信を植え付けて日本ツアーへ
「LPGAステートファームクラシック」の最終日を、首位と2打差の4位タイで迎えた宮里藍。前日は、課題としているパットがショットと抜群の噛み合いを見せての猛チャージ。今シーズン最高ともいえる状態の中、逆転勝利に向けて最終ラウンドのスタートを切った。
「朝は風が無かったので、最低でも5つは伸ばさなきゃいけない」と目標を掲げる宮里は、スタートホールの1番パー5、ティショットをフェアウェイに運び、2打目をグリーン左のカラーへ。6メートルのイーグルトライは惜しくも外したが、幸先良くバーディを奪う。その後、6番で1.5メートルのバーディパットはカップに蹴られるが、8番パー4では1.5メートルを確実に沈めてバーディ。しかし、9番では2メートルのパーパットが再びカップに蹴られてボギーとし、前半は1ストローク伸ばすに止まる。
緊迫した優勝争いの中でボギーを叩いても、一喜一憂することはない。「ナーバスというより、心地良い緊張感。緊張の中でもしっかり自分を保ち、見失うことは1度もなかった」と振り返る宮里は、12番でバーディを奪取。さらに13番パー5では、グリーン奥のカラーから15メートルのイーグルチャンスを迎える。「(外れれば)3メートルぐらいオーバーしていた」と強くボールに入ったが、ピンに当たってカップイン! 「気持ちがすっとして、まだまだ行けると思った」と幸運なイーグルを奪う。だが、以降は1バーディ、1ボギーと終盤で伸び悩み、首位には3ストローク及ばず。通算14アンダーの6位タイで終え、初勝利には届かなかった。
優勝は逃したとはいえ、最終日も4アンダー。「初日の出遅れが響いた」と初日の1オーバーが悔やまれる結果となったが、「逆を言えば、1オーバーから14アンダーまで持ってこられたことは自信になった」と表情は晴れやかだ。「勝ちたい気持ちはものすごくあるけど、その気持ちは内側に秘めて、目の前の1打に集中できている。4年目にしてやっと自分のスタイルを、コースで無意識にできるようになった」と、理想のプレースタイルを確立しつつある。次週は、日本に一時帰国して「サントリーレディス」に出場。「アメリカでやっているような感じで自然体でできれば、優勝争いに絡めると思います」。約2年9ヶ月ぶりの国内ツアー制覇に向け、大きな弾みをつける一戦となった。