「10」の大叩きも、復調を印象付ける結果となった
2007/10/14 13:42
「サムソンワールド選手権」3日目の宮里藍。スコアを見れば「76」と平凡だが、その平凡なスコアを記録する為の戦いは激しかった。
ティショットが右に出て、椰子の木にあたって手前の池に落ちた2番パー4。ハザードの処置をした左足上がりのラフからの3打目は、今度は大きく左に出て、カート道のさらに左の砂地まで飛んでしまう。そこから4打目を打ってホールアウトした宮里だったが、その処置に不安を感じたキャディのミックが、ローカルルールが明記された紙を確認したところ、その地点がOB区域である事が分かった。
次のホールのティショットを打ってしまっていたら競技失格となるところだったが、すんでのところで2番に戻り、3打目地点から5打目となるストロークをやり直した。結局、6オン2パットの8ストロークに、誤球の2打罰を加えた「10」というスコアになった。
「私も不注意だったし、ミックも珍しくミスをしてしまった」と振り返った宮里だったが、その後は5、6番で連続バーディを奪うなど、5バーディ3ボギーと巻き返した。「あのままずるずる行ってしまったら、ここ3週間やって来たことが全部無駄になってしまう。どれだけ前向きにやれるかがテーマとしてあるから、良かったです」。
時折ミスは出るものの、それを乗り越える強さが宮里に戻りつつある。12番ホールでは、トップまで上げたドライバーを止め、仕切りなおす場面もあった。自分で感じた違和感に、冷静な対応が出来ている証拠だろう。
「今、何をしなければならないか、目標を作って守れたらそれでいい」。今はまだスコアを気にせず、フィーリングを大事にしたいという姿勢は4日間変わらない。着実に復活への道を進む宮里の最終日を見守ろう。