状態が悪くても前向きな気持ちは忘れない・・・いざ、メジャー初戦へ!
「今日のラウンドは点数をあげられない。」
ラウンド後、苦笑いしながら宮里藍はそう答えた。
「最終日は内容重視」と言ってはいたものの、この日の宮里は、またもやショットの不調によりスコアを伸ばせない苦しい展開を強いられる。前半の4、5Hともに、セカンドショットは難しいガードバンカーの中へ。そこから寄らず入らずのボギー・・・今日はショットの不調に加え、今週の生命線だった「ここぞのパッティング」もなかなか決まらない。
さらに後半に入ると、14Hではティショットのミスによるトラブル。3Wで打ったティショットは、「フェードが出てしまった」というように、行ってはいけない右方向、砂利のハザードの中へ。結局ボールは見つからず、ドロップゾーンから3打目を打つもボールはグリーン手前のバンカーへ。さらに3メートルほどにつけたボギーパットも決まらず、このホール痛恨のダブルボギーとしてしまう。その後、一時7オーバーにまでスコアを落とした宮里は、さすがに表情を曇らせた。
この4日間、ショットの調子を取り戻しつつあったが、それでも所々にミスが出てしまう。
本人も「いいフィーリングをつかめないまま4日間が終わってしまったのは、本当に珍しい。」とやや困惑するほどだ。それほど、この4日間は「宮里らしくない」ものだった。
しかしそれでも、最後はきっちりとバーディで締めくくる「いつもの宮里」もいた。3日間連続のバーディフィニッシュで、結局トータル6オーバー、59位タイで競技を終了した。
最後はさすがに疲れた表情を見せた彼女だが、それでも気持ちはいつも前向きだ。
「流れが悪い時に無理やり考えると深みにはまるだけだし、こういう状況で予選を通過できたのは良かった。今週は自分で出来ることはやったし、こういう日もあるかなぁ。」と、やや満足いかない成績にも「やるだけやった」という納得した様子を見せた。
来週は、今季メジャー第1戦「クラフトナビスコチャンピオンシップ」。
それにあわせて、コーチである父・優さんも会場入りする。
「(不調の)原因の『何か』を見つけてもらえればいいです。でも、チェックすることはないと思うんですけど」と最後にまた苦笑いを見せた。
それほどに、その「何か」は微妙なことに違いない。
そしてまた、その「何か」が見つかれば『必ず結果は出る』・・・そんな風にも聞こえる一言だった。