2012年 全米オープン
期間:06/14〜06/17 場所:オリンピッククラブ(カリフォルニア州)
遼、15位タイの好発進にも「もう少し伸ばせたと思う」
米国カリフォルニア州のオリンピッククラブで14日(木)、海外メジャー第2戦「全米オープン」が開幕。アンダーパーは僅か6人、今年も緊張感に包まれる凌ぎ合いの展開となる中、石川遼は1バーディ、2ボギーの「71」(パー70設定)でホールアウト。首位に5打差の15位タイと、世界最高峰の舞台で上々のスタートを切った。
日に日に硬さを増していくフェアウェイとグリーンに多くの選手が苦しむ中、「ピンまでの距離をキャリーで打つコースじゃない」と、コース攻略のポイントを1つ絞って臨んだ石川。スタートホールの9番(今年のスターティングホールは1番と9番)から、そのプランは早々に実を結ぶ。左ラフから、ピンまで約160ヤードの2打目で選択したのはピッチングウエッジ。「30ヤード手前に落とすイメージ。狙ったポイントに打てた」というボールは花道を駆け上がり、そのままエッジから21ヤード奥に切られたピンにスルスルと寄って行く。「10m手前で止めるつもりだったけど、上手くいきすぎましたね」。ピン手前50センチにピタリと止まり、幸先良くバーディ発進とした。
<< 下に続く >>
その後も、石川が掲げる攻略プランと、「ある程度コントロールできていた」という好調なショットが見事なハーモニーを奏でる。グリーンをオーバーさせることなく、手前からの攻めを徹底。決定的なバーディチャンスこそ訪れないものの、危なげの無い内容でパーを重ねていった。もちろん、ピンチも迎えた。全米オープン史上最長を誇る670ヤードの16番パー5では、ティショットを左ラフに打ち込むなど苦戦し、4打目でグリーン手前ラフから10ヤードほどの短いアプローチを残す。この局面でフワリと浮かすロブショットでピンに絡め、「16番のパーは大きかった」と流れを繋ぐパーセーブ。その後も、難コースの網の目を潜り抜けるようにパーを重ねていった。
しかし、後半の5番では1mを外してのボギー。さらに距離の短い288ヤードの7番では、ラフとバンカーを渡り歩いてのボギーと終盤に失速した。「今日の自分の状態だったら、もう少しスコアを伸ばせたと思う」と悔しさを滲ませたが、4アンダーと1人だけ飛び出しているマイケル・トンプソンを除けば、2位タイグループの5人は1アンダーと混戦に等しい状況。耐えるプレーを貫き通し、首位争いを見据えた位置でのフィニッシュといえるだろう。ホールアウト後、「難しいホールがたくさん続いたので疲れました」と声を落とす姿は、集中力と精神力を極限まで高めてプレーし続けていたことを物語っていた。(カリフォルニア州サンフランシスコ/塚田達也)