「全米女子オープン」フォトギャラリー
2012年 全米女子オープン
期間:07/05〜07/08 場所:ブラックウォルフランチャンピオンコース(ウィスコンシン州)
誰も球を止められない?驚異のUSGAセッティング
「全米女子オープン」3日目、最高の難易度を誇ったのは、6番(パー3)。左奥へと伸びたグリーンのまさに左奥に切られたピンは、左エッジから5ヤード、奥からはわずかに9ヤード。ピンまでの距離は207ヤードで、前後には深いブッシュが生い茂り、しかもフォローの風が吹いていた。65選手が挑んでバーディは2つ。ダブルボギー以上が9つで、平均スコアは3.708というものだった。
「あれはもう、よく切るなるなぁここにと思って」という宮里藍。想定では、バックティを使うときは、グリーンが受けている右サイドにしか切ってこないと、キャディと共に踏んでいたという。「手前ギリギリに落としたとしても、グリーンの傾斜があるし…。みんなどうやっているのかなと思いました」と首をひねる。宮里はU4でグリーンセンター奥に外して、アプローチを3mに寄せてパーセーブ。「私はパーだから良かったけど。さすがメジャーというか、やりすぎな感じはありましたね。あれは多分誰もボールを止められないです」。
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風が難易度アップの大きな要因となったことは確かだが、スタート前にUSGAが出しているセッティング資料には、「このホールはたとえ風が手助けして、かつコース内で一番軟らかいグリーンだとしても、とてつもなく難しくなるだろう」とコメントされている。つまり、この難しさは初めから計画に織り込まれていたのだ。
この辺がUSGAのセッティングの幅の広さと言えるだろう。誰もピンと同じ面で止められないであろうパー3。あまりに進行が遅いので、前の組がグリーンに載せると、後ろの組に先にティショットを打たせるというという始末。明らかに、パーがバーディのような意味を持っているホールだったが、こんな理不尽とも思えるホールを静かに乗り越えた先に、偉大な名誉が待っているのだ。(ウィスコンシン州コーラー/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka