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1997年 マスターズ
期間:04/10〜04/13 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

次元が違う! こんな展開、これまでなかった

午前中晴れていたオーガスタも午後から曇り模様。夕刻(といってもまだ明るい)には今にも泣きそうな空になってきた。タイガー・ウッズの上がるころにはかすかな雨の気配になった。

「次元が違う」とあるプロが言っていた。「たとえば他の選手がロングアイアンを使うホールでウッズはウェッジ。オーガスタが難しいといわれる、その難しさの部分に関係のないゴルフができる。当然、グリーンを狙うための攻め方というか、ルートがまったく違ってくる。それだけの飛距離のアドバンテージを持つだけでも有利なのに、さらにウッズのパッティングは超一流だ。これではイーグルやバーディが次から次へと出て当然だと思う」

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たとえば池がらみの11番。池にむかって傾斜するグリーンに打つのは勇気が必要といわれてきたが、しかしセカンドにウェッジが持てるのなら、その恐ろしさは半減する。初日トップのジョン・ヒューストンが自滅した13番ロングホールもそうだ。ティショットをフルショットした2日目のウッズがピンまで残した距離は170ヤード。これは彼にとってショートアイアンで狙えるの距離にすぎない。ピン手前のクリークとかマウンドとか、グリーン奥のハザードがどうのといっても、それはロングアイアンやウッドでの話だ。ピン上空からまっさかさまに狙えるのなら、イージーなミドルホールと化してしまう。事実、簡単にイーグル。本当は簡単ではないのだろうが、とにかく簡単に見えてしまう。

14番も絶妙のセカンドショットでイージーバーディ。15番もセカンドに残した距離は150ヤード。もちろん簡単に乗せてイーグルチャンス。惜しくも外してのバーディ。
もちろん、ただ飛んでパットがうまいだけでは、こんなスコアは出ない。初挑戦で玉砕した金子柱憲が言う。「グリーンが速い。傾斜が強い。だから落とし所を1メートか2メートル外してしまうと、そのボールは10メートルは流れて違うところに行ってしまう。それが怖くて自分のゴルフができなくなる。どんどんナーバスになってしまう。自分は米ツアーを知らないわけではないと思っていたが、まさか10メートルから3パットすることがあるとは思ってもみなかった・・」

2日目のグリーンは少し柔らかくなったと言う。しかし、だからといって転がりが遅くなったわけではない。あいかわらずの鏡のようなグリーンだ。ジャンボ尾崎はパットが決まらないことの連続で、だんだんフラストレーションがたまってきた気配だ。予選も通ったのだし、1日くらい気分の良いゴルフをしてほしいと、局外者としても思う。

だれがタイガーに挑戦するのだろう?

タイガー・ウッズはよくコースを研究している。月曜日に見かけたときは、キャディからボールを投げてもらって、一か所から何球も何球も打っていた。どこに落ちたらどう転がるか、納得いくまでしっかり見極めていた。火曜日にも午前中ハーフ、夕方にもハーフ、しっかり練習ラウンド。アマチュアとしてコースに挑戦したことはあるとはいえ、しかしよく落とし所を勉強している。パワーとパットの巧みさとそうしたリサーチが、27ホールで12アンダー(初日の後半から計算するとそうなる)という驚異的な内容につながっているのだと思う。

初日にこのウッズと対戦したニック・ファルドはどうしてしまったのだろう。初日のプレーの後、つかれたように練習していた。レッドベターといっしょに、パットを打ち続けた。練習場で、最後の一人になるまで球を転がしていた。昨年のチャンピオンのこうした姿を見ると、ちょっとした感動がある。しかし努力が実を結ぶというわけではない。2日目、大叩きのホールがあったとはいえ81。非情というか、オーガスタの手ごわさというか、感じてしまう。

さて決勝ラウンド。だれがウッズの進撃を阻むのだろうか。コリン・モンゴメリーなんかが最右翼? 欧州ツアーの賞金王。明日は雨が降るかもしれないと天気予報は言っている。天候が荒れたら、また展開もガラリと変わってくるかもしれない。さぁ、明日は波乱の3日目だ。ふつうは、下から快進撃で追い上げてくる選手がいるはずなんだけど。
(現地特派・カリーナ大山 4/11)

タイガー・ウッズのドラマチック第2ラウンド>
もう優勝街道を突っ走り・・といったムードさえ出てきた。ティショットはほぼ完璧。パットもタッチ最高。
ロングホールで確実にバーディやイーグルを計算できる強みを最高に発揮。
さぁ、3日目はどんなゴルフを見せてくれるか。

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