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【WORLD】コーラ好きの努力家 J.ブリクスト

Golf World(2013年1月14日号)texted by Tim Rosaforte

ジョナス・ブリクストはPGAツアーで、それほど有名な選手ではない。少なくとも今はそうだ。シーズン開幕戦の「ヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」に集結した昨年のツアーチャンピオン30人の中で、フロリダ州立大卒のこのスウェーデン人は、コース上だけでなく、ロッカーでも無名の存在だった。

そして、ブリクストがマット・クーチャーに「ザ・プレーヤーズ選手権」優勝への賛辞を送ろうと歩み寄った「HPバイロンネルソン選手権」会場でもそれは同じだったという。「彼(クーチャー)は、『君は誰だい?』という感じだったんだ」と当時のことを思い起こすブリクスト。しかしそのバイロンネルソンで3位タイでフィニッシュすると、「クーチャーが僕のところにやってきて、おめでとうと言ってくれたんだ。なんだかイイ感じだったね」と喜んだ。

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スウェーデン語でブリクストとは“稲妻”を意味する。そして彼は活発で、生き生きしたキャラクターを持ち、無名でいることはそう長くないと思われていた。実際のところ、友人は「元ジュニアホッケーの選手だったブリクストには労働意欲にもつながる電気パルス」があるとコメント。PGAツアー参戦前、ウェブドットコムツアーでプレーしていた時には、キャディのザック・ウィリアムソンは、ラウンド後に決まってコースに戻り、夕暮れ前までボールを打ち続ける姿を見て、ブリクストが疲れ切っていないか確かめる毎日だった。

そんなブリクストは、いつも通り雨風が強いマウイ(開幕戦の会場)で誰よりも練習場でボールを打っていた。そして、エリート選手が集まる練習場で、彼が示した自信はより際立っていた。昨年10月に開催されたフォールシリーズの「フライズドットコムオープン」で優勝し、ヒュンダイ・トーナメント(18位タイで終了)に出場。「まだみんなのことは良く分からないけど、優勝したことで僕がここに居ることはしっかりと感じることができる」とコメント。「彼らが成し遂げてきたことに近づくには、ものすごい努力が必要だ。今はそれに取り組んでいるよ。世界のベストプレーヤーになりたいからね」。

世界ランク246位だった昨年はルーキーとして、「ウェルズファーゴ選手権」、「バイロンネルソン」、そして5月の「クラウンプラザインビテーショナル」でトップ10入り。これが肋骨の故障で2カ月間戦線離脱する前にフェデックスカップ・プレーオフ出場を確定させる要因となった。8月に復帰すると、「ザ・バークレイズ」の72ホール目で、5フィートのパットを決めてプレーオフの2戦目に滑り込み。「ドイツバンク選手権」では最終日に「68」をマークしフェデックスランキング71位と、翌週のトーナメント出場まであと一歩に迫る活躍を見せた。

ブリクストはそういった実戦で培った自信を手に、フォールシリーズに突入。ラスベガスの「ジャスティン・ティンバーレイク・シュライナーズホスピタル for チルドレン」で3位に入り「フライズドットコムオープン」へ勢いをつけた。同大会会場となったサンノゼ南部のコルデバレーリゾートで、得意のパッティングで優勝。2日目以降のラウンドでは、ツアー優勝を決めた4フィートのパットを含め、10フィート以内のパットを50回中49回も沈めたのだ。

同週のストローク・ゲインド/パッティング部門で驚きの10ストロークもゲイン。シーズンを通じてこの部門で2位となり、サンドセーブはトップとなった。平均飛距離は286ヤードと飛ばし屋ではないが、イーグル奪取ではツアー2位。お陰で220万ドル以上を稼ぎ出し、賞金ランクは34位となった。

Golf World(2013年1月14日号)texted by Tim Rosaforte

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