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2012年 ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション
期間:01/19〜01/22 場所:PGAウェスト(パーマーコース)(カリフォルニア州)

【WORLD】元大統領が生むツアーの新たな価値

Golf World(2012年1月30日号)texted by Geoff Shackelford

米国男子ツアー第3戦「ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション」と、ビル・クリントンが主宰する健康問題に関する組織「Health Matters」とのコラボレーションは今後、ゴルフトーナメントに新たな付加価値を加えるのに、大きな意味を持つかもしれない。

元アメリカ大統領ビル・クリントンは、昨年まで「ボブホープ・クラシック」という名称で行われていた大会に、健康問題に関連した活動を取り入れた。これにより多くのスポンサーを獲得し、メッセージ性の強い大会にも発展し、元大統領の影響力と利益を得たことで、結果的にPGAツアーコミッショナーのティム・フィンチェムの株も上がった。

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しかし、これだけでは第42代アメリカ大統領にとっては十分ではなかった。

確かに近年の大会と比べ、実力のある選手たちがパーム・スプリングスに集結したことも変化のひとつだったが、それよりも大きな変化として、クリントン財団とヒュマナチャレンジが提携したことにより、今後7年間は魅力ある大会に様変わりする点も変化の一つに挙げられる。それでもクリントンが関心を寄せる健康問題に関する会議、そして彼1人の存在によりクオリティを取り戻すようになった大会の間には、まだ何かが不足しているのも事実だ。

大会期間中の火曜日に開催されたカンファレンスに参加した出場選手は少なかった。クリントンや著名なゲストはインディアン・ウェルズ・カンファレンスセンターでの会議で400人もの聴衆を魅了していたが、多くのプレーヤーは練習に忙しく欠席が目立った。選手達を擁護するわけではないが、クリントン自身ですら、この会議が持つ意味を十分に理解していなかったという。

しかしながら、その中でもクリントン財団のパネラーとして出席した2人のゴルファーは、重大な問題提起をした。アニカ・ソレンスタム、そしてノタ・ビゲイIIIは、健康問題に関連した活動を積極的に行っていることで知られている。プレーでも魅了した両者は、会議に参加した医師、科学者、重役、その他ヘルスケアのプロの前で、雄弁に自分達のチャリティー団体が他の団体と何が違うか、そして彼らのゴルフキャリアが何をもたらしたのかを説明。ビゲイはネイティブアメリカンの肥満問題、そして糖尿病問題の改善に熱心で、クリントンもアメリカ国内の医療費3分の1に該当する金額がこの問題解決のために使われていると指摘した。

ソレンスタムは、高齢になっても影響力を持つゴールディー・ホーンとパネルディスカッションを行い、ゴルフに関心の無い観衆の多くに対し、クリントンも大きな問題と指摘する幼児肥満の問題解消を訴えた。ソレンスタムは子供を対象としたThe First Teeプログラムが健康な食生活に関する知識をつけるのに有効だと主張し、ゴルフが健康改善に役立つとも話した。それらはゴルファーにとっては当たり前の知識かもしれない。しかしいかにゴルフに関心の無い観衆にも、それを理解してもらえるかが重要なのだ。

ディスカッションは豊富な情報を提供し、このイベントが今後より多くの人達に情報、アドバイス、メッセージを与えられる可能性を持っていることが広められた。しかしながら、クリントンがボブ・ホープとのエピソードを交えたスピーチで関心を高めようと、ヒュマナCEOのマイク・マクカリスターが全国民に対しての健康問題に関する予防になると主張しても、今回はオンラインでのストリーミング、そしてソーシャルメディアでのみプロモートされ、テレビでは放送されなかったことが残念だ。

だがそれも変わるかもしれない。クリントンの影響力は少なくなく、PGAツアーにとっても簡単には彼の存在を手放したくはないだろう。

今回のイベントはゴルフチャンネルがカバーするはずだったが、実際には親会社のNBCのウェブサイトでストリーミング放送された。同ネットワークはその後Today Showでも放送し、Nightly Newsではナンシー・スナイダーマンが会議の模様をレポート。クリントンとビゲイに質疑応答も放送された。

ゴルフチャンネル代表のマイク・マッカーリーも会場に終日滞在したことで、今後も継続して同イベントを開催していくことが予想されている。クリントンが100万人単位の人達に向け、オーガニック食品ばかりに頼ることなく、健康体になる方法を考えようと訴えることだって可能だ。

マッカーリーは、NFLのプレイオフと視聴率争いをするのであれば、シーズン序盤のトーナメントを月曜に終了させるようにした方が良いとしている。NFLのカンファレンスチャンピオンシップに多くの関心が寄せられ、日曜日に開催されるヒュマナチャレンジから発信される強いメッセージを無駄にしてしまうと危惧している。仮にヒュマナチャレンジが月曜日の午後に終了するとして、その日の夜NBCで“ビル・クリントンがホストの健康問題に関する番組”を放送し、その前に大会の模様を放送する。確かにこれが実現できればば、クリントンの存在によりゴルフに関心の無い層に向け、ゴルフが地域の活動に積極的であると訴えかけられる。

昨年末の講演でクリントンは、自身の超党派組織“グローバル・イニシアチブ”のスタッフはこうした問題に関心がある、もしくは進んで手助けしたいと名乗り出る層しか招待していないと話した。しかし、この問題は未だに手つかずの分野だけに、ことさら需要も感じられなかったのも事実。もしクリントンが、ベン・クレインフィル・ミケルソン等のように、協力を名乗り出てくれている有名選手にメッセージを伝えたら、世界的なゴルファーと大規模な団体による、子供の健康状態改善を目的とする運動は実現するのだろうか?また、2006年アナハイムにラーニングセンターを開校し、クリントンをゲストに招いたタイガー・ウッズは参加するだろうか?

タイガー、もし君が2年以内にヒュマナチャレンジに出場したとしたら、絶対に後悔しないと約束しよう。何故なら、どこの活力に満ちた大会に、どういう形であれ、参加しさえすれば、ゴルフを超えたムーブメントの一部となれるのだから。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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