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ジャンボ契約ブランドのUT。その実力は?

「週刊ゴルフダイジェスト」連載「ゴルフギア探検隊」(4月30日号)より

数々の中古ショップの立ち上げに参加し、ゴルフグッズ制作にも携わるゴルフ道具研究家の児山和弘が、ゴルフギアをシビアに評価する。今回はアダムスゴルフの「『アイディアテックV4』ハイブリッド」を取り上げている。

アダムスといえばトム・ワトソンやヤニ・ツェンなど、海外のトッププロが契約しているメーカー。アメリカでは普通の価格帯で近年急成長。とくにハイブリッドと呼ばれる日本でいうユーティリティの評価が高く、米男子ツアーではプロの使用率ナンバーワンを誇っている。テーラーメイドの傘下に入ったことをきっかけに、今年から日本でも大々的なセールス展開をするようで、先ごろジャンボ尾崎との契約も発表された。今年もっとも注目されるブランドだ。

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アダムスのハイブリッドは、ソールだけとクラウン部に溝が入っているのが大きな特徴だ。この「アイディアテックV4」は、クラウンとソールの溝を貫通させる「カットスルーVST」設計。貫通した部分はTPU(サーモプラスチックウレタン)製のバッジで密閉されているが、これによりドライバー並みの高反発性能になっているという。こうして説明していても、その奇抜なアイデアに驚かされる。

構えてみると太い溝がはっきり目立つ。溝を目標方向に向けるとフェースはクローズになり、フェースのスコアラインを目標方向に合わせると、溝が少し右を向いてしまう。つまり、溝とフェース面が平行になっていないので、スクェアに構えることにこだわるゴルファーは戸惑うかもしれない。弾道解析器「FORESIGHT GC2」での計測結果では、バックスピン量も適正にあり、決まった距離をしっかり打てる感じ。ウッドに近いヘッド形状だが、アイアンのようにダウンブローに打ったほうがよい結果が出る。打点のズレにも寛容だ。

特筆されるのが、スチールのRシャフトに「NS PRO 950GH」よりも数グラムほど軽量な「NS PRO 850GH」を採用している点。ご存知のように「NS PRO 950GH」は、アイアンシャフトに多く採用されているシャフトだが、ユーティリティも「950GH」にしてしまうと、セッティングの重量の流れとしては重すぎるきらいがある。

この「NS PRO 850GH」は、アイアンに「NS PRO 950GH」を使用するゴルファーの多くにマッチするだろう。きめ細やかなメーカーの配慮が嬉しい。

●こやまかずひろ:ゴルフ道具研究家。数々の中古ショップの立ち上げに参加、ゴルフグッズ製作にも携わる。オモテもウラも知る、ギア&グッズどっぷりのゴルフボーイだ。1974年広島生まれ。

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