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月間1億円獲得にもつながった 時松隆光“あいさつ”の原点

国内男子ツアーを主戦場にする23歳の時松隆光は、中学校時代“帰宅部” → 高校時代“名門ゴルフ部”というアマチュア経歴を持つプロゴルファーだ。ツアー初優勝を果たした昨年夏に、わずか1カ月で1億円以上稼ぐ爆発力を発揮した。そんな男子ゴルフ界のホープが「プロになった今も生きていると思います」と語るのは、意外にもゴルフ部での厳しい上下関係という。

先天性の心臓病で4歳の時に手術を受け、「健康のため」にと父に連れられ、5歳でゴルフを始めた。部活動には属していなかったが、ゴルフには本格的に取り組み、中学時代から、日本アマチュア選手権に出場したり、日本ジュニア選手権で6位に入ったりと活躍。高校進学にあたっては、地元・福岡県にあるゴルフの名門・沖学園高校を選んだ。

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ゴルフは得意だったが、チームに属して取り組むのは初めて。帰宅部から飛び込んだ名門ゴルフ部では、何よりも先輩・後輩の厳しい関係に戸惑った。「1年のときはガンガン言われましたね」と、上級生から厳しい目で見られた過去を振り返る。それまでの生活で、あいさつに特別な意識を置いたことがなかっただけだが、ゴルフでの実績があっただけに、部活動の上下関係に不慣れな時松の行動は、さぞや生意気に見えたことだろう。

もともとの謙虚な(時には謙虚すぎる)性格もあっただろうが、名門ゴルフ部の洗礼を受け、以後は「まずはあいさつ」を心掛けるようになったという。そして、「先輩に教えてもらって得たことは、間違いなく多かった」と笑顔で振り返る。積極的なあいさつが周囲とのスムーズな関係醸成に役立ち、礼儀だけでなく技術習得も加速させた体験があればこそ、その思い出は辛いものではない。時松の弁に熱がこもる。

「最近のジュニアの子って、ちょっと上下関係がなくなっていると思う。今は馴れ馴れしくなっちゃっている、というんですかね。あいさつが大事ということは、僕がプロになって一番感じたこと。そこは伝えておきたいです」

プロの世界でもやはり“1年目”はあり、高校時代よりもうまく溶け込めたことで、部活動の経験が社会に出て生きている実感がある。「あいさつをしない印象を持たれたら、プロの世界でもやっぱり居心地が悪いことになりかねない。あいさつがしっかりできれば、大事にされると思います」。

時松は今も、朝のドライビングレンジや練習グリーン上で、先輩プロ一人ひとりに対して挨拶を欠かさない。先輩プロから “ゲンちゃん”の愛称(本名は『源蔵(げんぞう)』)で呼ばれ、親しまれているのも、こうした日々の心がけや姿勢の賜物だろう。さらなる飛躍が期待されるプロゴルファー時松にとって、あいさつをきっかけに築いていく関係性は、今後もきっと武器になるはずだ。

「今の子たちは飛距離が出るし、技術的にも上手いので、あとは思い切り伸び伸びとやっていれば、良い結果が出ると思いますよ。みんな頑張ってほしいですね」。常におごることなく礼節を重んじる時松の姿勢は、後輩に対しても貫かれている。(編集部・塚田達也)

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