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<選手名鑑221>PGAツアー4代目コミッショナー ジェイ・モナハン(前編)

■新構想(1)今春からチーム戦導入 PGAツアーに新たな魅力

第4代PGAツアーコミッショナーのジェイ・モナハン(Stan Badz/PGA TOUR)

2017年1月1日、46歳のジェイ・モナハンがPGAツアー4代目コミッショナーに就任した。前任のティム・フィンチェムが22年もの歳月をかけ世界最大に育てたツアーを新リーダーはどのように導いていくのか?その手腕は今年の大きな注目だ。

モナハンは正式就任に先立ち、いくつかの新構想を打ち出した。決定しているのは公式競技に「新フォーマット」を加えることだ。4月末の「チューリッヒ・クラシック」をチーム戦に変え、魅力増を狙う。チーム戦をランク対象とするのはPGAツアー初の試みだ。国籍に関係なくPGAツアーのメンバーの有資格者であれば、誰と組んでもOK。世界ランク1位のジェイソン・デイと3位のダスティン・ジョンソン、ランク2位のロリー・マキロイと4位のジョーダン・スピースなど、他のチーム戦では実現不可能な夢のペアが誕生するかもしれない。松山英樹石川遼のワールドカップ日本代表組の再タッグの可能性もある。誰と誰が組むかで意外な人間関係が垣間見えるかもしれない。今までにない話題たっぷりの大会になるのは間違いない。

■新構想(2)男女コラボ試合の模索

フランクリン・テンプレトン・シュートアウ フランクリン・テンプレトン・シュートアウトでは、トンプソンとデシャンボーのペアが話題を呼んだ(Chris Trotman/Getty Images)

現在進行形で検討されているのは「男女コラボ試合」だ。五輪競技復帰が決まってからLPGAとの連携が模索され、交流は盛んになっている。2016年3月には米国の男女両ツアーが提携を発表、混合や同一コースでの試合開催を示唆している。現時点では米PGAツアーの日程には入っていないが、早ければシーズン途中の発表、もしくは18年に実現する可能性がある。男女コラボ試合が定期開催されるようになればイノベーションの象徴的な出来事になりそうだ。

その一歩と感じられたのは、昨年末の「フランクリン・テンプレトン・シュートアウト」というランク対象外の試合だった。2人1組で競う男子の試合に初めてLPGAのレキシー・トンプソンブライソン・デシャンボーとペアで出場。初日10アンダーの好スタートを切り、一躍脚光を浴びた。結果は最下位の15位タイに終わったものの、優勝したマット・クーチャーハリス・イングリッシュ組に匹敵する注目を集めた。

男女コラボ試合は1960年から99年まで「JCペニー・クラシック」という大会が行われていた。PGAとLPGAの選手が2人一組でプレーする大会で、85年にはラリー&ローリー・リンカー兄妹、最終年99年には両ツアーで一番のビッグヒッター、ジョン・デーリーローラ・デービース組が優勝するなどレギュラー試合にはない魅力で大いに沸いた。この試合を参考にして進化系コラボ試合が練られ、多くの選手たちは実現の日を楽しみにしている。

■新構想(3)アジアへ熱視線

アジアでのPGAツアー開催も加速している。毎年10月から11月にかけマレーシアで「CIMBクラシック」、中国で「WGC HSBCチャンピオンズ」が開催されているが、今年から韓国での開催が決定。これでPGAツアーの公式競技がアジア3カ国で開催され「アジアンシリーズ」になる。チャンピオンズツアーは初の日本開催が決定し、アジアのネットワーク拠点としてPGAツアー東京オフィスが開設されるなど、一気に動き出した。

PGAツアーを頂点にした連携も機能し始めている。傘下ツアーにカナダ、南米、3年前には中国も加わり、各ツアーの上位選手はWeb.comツアーの出場権獲得が可能。実績次第で傘下ツアーからPGAツアーへの昇格も可能で、夢をかなえた選手も現れた。今後、日本ツアーとPGAツアーとの連携や提携といった道筋ができ、日本ツアーから実力者がPGAツアーの出場権が得られるようになればと願う2020年に東京五輪を控え、日本ゴルフへの関心と注目は想像以上に大きい。おそらくモナハンはアジアの中でも、特に日本に熱視線を注いでいると思う。

■頭脳明晰 リトルアイビーで培った教育、ゴルフ、スキル

ライダーカップ開幕を控え、タイガー・ウッ ライダーカップ開幕を控え、タイガー・ウッズと談笑するジェイ・モナハン(Sam Greenwood/Getty Images)

モナハンは米東部マサチューセッツ州ボストン郊外の出身。コネチカット州ハートフォードにあるトリニティカレッジに進学した。リトルアイビーと称される名門小規模の大学だ。米国の超名門8校をアイビー、学生数が1000~2000人の私立13校をリトルアイビーと言う。リトルアイビーのアマースト大は思想家で文学者の内村鑑三、同志社大を設立した新島襄らも学んだ大学だ。トリニティはマーク・トウェイン記念館を所有、維持管理し、多くの書簡を所蔵していることでも知られる。教育方針はリベラルアーツで専攻を深めるというより、さまざまな学問を自由に学び、幅広い知識、異なる思想や考え、言動を理解できる総合力を身につけるというものだ。モナハンも幅広い知識を会得する傍ら、ゴルフ部に所属し、1993年にはDivisionIIIでアカデミック・オール・アメリカン(AAA)に選出。AAAは文武両道に優れた学生に与えられる最高賞だ。その後、スポーツマネジメントを学ぶため、マサチューセッツ州立大学アマースト校大学院へ進学した東部屈指のエリートだ。95年に大学院を卒業し、社会人としてスタート。数々の大任をこなしていく。(続)

※後編はモナハンの敏腕ぶりや人物像に迫る

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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