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期間:11/17~11/20  場所: Sea Island Golf Club - Plantation Course

<選手名鑑220>オリー・シュナイダージャンズ(後編)

帽子をかぶらないのがオレ流ならぬ“Ollie流”

■ 2014年世界アマランク1位、2015年「全英オープン」のローアマ

ウェブドットコムツアー賞金ランク6位で今季PGAツアーのシード権を獲得したオリー・シュナイダージャンズ(23)はジュニア、学生時代から注目の選手で同じ歳のジョーダン・スピースジャスティン・トーマスダニエル・バーガーらとしのぎを削ってきた。彼らと少し違うところは07年の1年間にホールインワンを4回達成するなど、記録メーカーだったことだ。

テキサス州ダラスに生まれ、その後、一家でジョージア州に転居。マスターズ創設者のボビー・ジョーンズの母校として知られるジョージア工科大学へ進学し、卒業した。在学中はオーガスタ・ナショナルGCでのプレーを幾度と経験し、同校の先輩マット・クーチャーにも可愛がられプライベートでも一緒にプレーをして助言をもらってきた。2014年の世界アマチュアランク1位になり、41週首位を継続して最強アマとしてその名を知らしめた。

大学3年生の時にNCAAビジョンⅠで6戦中5勝。3、4年時のチーム優勝にも貢献した。2014年マーク・マコーミック賞を受賞して、2015年「全米オープン」と「全英オープン」の出場権を獲得。初メジャーの「全米オープン」で予選通過を果たし、42位タイで終わった。2015年にセントアンドリュースで行われた「全英オープン」がアマチュア最後の試合で、最終日の最終18番でバーディを奪い『67』、12位タイでローアマに輝き、有終の美を飾った。4日間の平均飛距離325ydというパワープレーも印象的だった。その直後、2015年7月にプロ転向。同年はPGAツアー4試合にスポンサー推薦で参加したが、シード権獲得には至らなかった。だがウェブドットコムツアーで1勝を挙げるなど、あっさり賞金シード権を獲得。今季から念願のPGAツアーフル参戦が決まり、アマ時代、学生時代に培った豊富な経験を生かす時が遂にやってきた。

■ “帽子”嫌いのオリー

シュナイダージャンズはキャップ、ハット、サンバイザーなど、帽子類を一切着用しない。寒さや強風下の「全英オープン」でも最後まで帽子を被らず、茶色の髪を風になびかせ淡々とプレーしていた。「窮屈なのが嫌で12歳の頃から一度もキャップをかぶってプレーしたことがない」という。

選手にとって帽子は重要なアイテムだ。猛暑日は防熱や陽ざしから皮膚を守る。かつてPGAツアーでも活躍したボブ・マーフィーやジム・コルバートは首の後部を保護するためツバの長いストローハットを愛用していた。カーク・トリプレットも同様の目的でハットを被り、それがトレードマークとなった。雨の日などには帽子は必須アイテムだ。帽子をかぶると被らないでは、疲労度も大きく違うだろう。さらにプロの場合はスポンサー企業のPRという意味でも大事な役割を果たす。リッキー・ファウラーはキャップをメッセージボードとしても活用している。選手仲間のジャロッド・ライルが2回目の白血病治療を開始した時には、キーワードを帽子に記し、それを中継で見たファンがライルに激励メッセージを送った。松山英樹も東北や熊本への応援メッセージを記し、思いを表している。シュナイダージャンズは帽子にいろいろな意味があることを理解しているが、今後も被るつもりはなく、オレ流ならぬ“Ollie流”を貫く彼に「脱帽」だ。

■ ショーン・フォーリーの秘蔵っ子 タイガー・ウッズとリプレース

シュナイダージャンズはジュニア時代からタイガー・ウッズに憧れ、目標とし、大学時代から指導を受け始めたのはウッズの元コーチ、ショーン・フォーリーだった。大学ゴルフ部のアシスタントコーチが師事していたのがフォーリーという縁からだ。2014年7月にウッズとフォーリーは契約を解消。同年9月に、ジョージア州アトランタ開催の「ツアー選手権」の会場で初めて会った。フォーリーはジャスティン・ローズら多くの契約選手を抱え多忙だったが、ウッズと入れ替わるように現れたシュナイダージャンズに強いインスピレーションを感じ、むしろフォーリーの方が「育てたい」とアプローチした。「オリーは強くアスレティックな身体と素晴らしい感性の持ち主。他選手に惑わされることなく我が道を突き進む強い意志もある」とフォーリーの期待は膨らんだという。

PGAツアーはウッズ全盛の1強時代は終わり、多くの選手がバトルを繰り広げる戦国時代。その中でも生き抜ける実力、体力、精神力を兼ね備えた数少ない逸材。アマチュアで初出場した2015年の「全米オープン」と「全英オープン」で予選を通過し、「全英-」では優勝の可能性もあったプレーぶりにフォーリーは将来を確信した。マネージメントもウッズやクーチャーらが所属するエクセル・スポーツと契約し、キャロウェイ社などスポンサーも次々と決まった。プレーに集中できる環境は整った。あとは、思いきり実力を発揮するだけだ。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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