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<佐渡充高の選手名鑑 71>ブラント・スネデカー

■ 勢いは止まらない“最もホットな男ブラント・スネデガー”

今PGAツアーで最もホットと言われているのがブラント・スネデガー(32)だ。昨年7月の「全英オープン」での優勝争いで3位に入ってから、9月の「バークレイズ」で2位、プレーオフシリーズ最終戦「ザ・ツアー選手権」で優勝し年間王者にも輝いた。今年も開幕戦「ヒュンダイトーナメント・オブ・チャンピオンズ」で3位、「ファーマーズ・インシュランスオープン」、「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」で連続2位フィニッシュのあと、「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」で優勝。世界ランクも自己ベストの5位まで浮上した。その後、昨年昨年負傷した左胸筋を休めるために休養。3月のフロリダ州シリーズから戦線復帰で更なる活躍の期待がかかる。

■ クイックプレー

スネデガーはプレーが速いことで知られる。即断即決、あっという間に打ってしまう。パットでも決めたらストロークに入る。邪念の入る余地を作らない。トム・ワトソンに憧れ子供の頃から彼のスウィングや早いリズムを真似てきた。決して飛ばす選手ではない。平均飛距離は278ヤードで、ランク161位と下位の方だ。しかし、フェアウェイキープ率は12位、パーオン率は3位と、ショットの正確性は群を抜いている。それが物を言い、バーディ奪取率、平均ストローク共に1位という結果を導き出す。この数年はショットメーカーで知られるスティーブ・ストリッカーデビッド・トムズのエッセンスを吸収してプレーしていると話す。目指した通りのプレーヤーに近づいているのだ。

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■ 逆転のスネッド

スネデカーは逆転優勝が多い。初優勝は2007年の「ウィンダム選手権」。この時は通算18アンダーで首位に立つジェフ・オーバートンに、5打差の8位で最終日を迎えた。前半からバーディラッシュで「63」、通算22アンダーでの大逆転。2勝目は2011年の「RBCヘリテージ」。この時は6打差で首位のドナルドに追いつき、プレーオフ3ホール目で勝負を決めるとまたもや逆転で制した。3勝目は、2012年2月の「ファーマーズ・インシュランスオープン」で、この時も7打差で首位のカイル・スタンリーに追いつき、プレーオフ2ホール目で勝利を手にした。クイックプレーに加え、多くの大逆転優勝がスネデガーの迫力に拍車をかける。

■ 交通事故の怪我でリハビリ中の親友の子供のために

昨年終盤から急に結果を出し始めたのは、親友の子供を励ますためだ。コーチでもあり親友のトッド・アンダーソンの息子が交通事故で右顔面麻痺の重傷を負った。彼の息子タッカー(19)はウェイクフォレスト大学1年でゴルフ部期待の選手だった。昨年9月7日キャンパス内で交通事故に遭って緊急搬送され、脳の中にできた血塊の摘出手術を受けた。顔の右側の運動神経が麻痺するなど後遺症はあるもののアトランタの病院へ転院し、奇跡的に少しずつ回復に向かっている。アンダーソンは息子の容体を案じながらもライダーカップではスネデカーの元へやってきたのだ。この出来事にほかの選手たちも心配し、次々とアンダーソンの元へ訪れては言葉をかけた。対面した師弟はただ抱き合い涙を流し続けていた。スネデカーはコーチのためにも、彼の息子のためにも、ガッツあるプレーで勇気を届けると誓った。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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2013年 バレロテキサスオープン



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