大会連覇を目指すケビン・ストリールマン (Mike Ehrmann/Getty Images)

コース：イニスブルックリゾート（フロリダ州カッパーヘッド）は全長7,340ヤードのパー「71」。1972年にラリー・パッカードによって設計された、きれいな並木のフェアウェイが特徴。“フロリダスイング”の愛称で親しまれ、フラットなレイアウトが多い近隣コースの中では、豊かな表情を持つ難コースとして名高い。パー5ホールのうち2つはドッグレッグで、2オンを狙う選手たちのチャレンジ精神に火をつける。“スネークピット（ヘビの巣）”と呼ばれる上がり3ホールは、2つのミドルホールが17番（215ヤード）のパー3ホールを挟むようにレイアウトされている。イニスブルックリゾートは、24年間もの長きにわたってPGAツアーとLPGAツアーの共催で行われてきた「JCペニーチームイベント」をホストしてきて、2000年からツアー公式戦の舞台となった。

フェデックスカップポイント：優勝者には500ポイントが贈られる。

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チャリティ活動：カッパーヘッド・チャリティーズ社は、70以上ものファンドレイズ・イベントをタンパベイ地区で開催している。同社は1978年の立ち上げ以降、3千万ドル（約30億円）もの基金を集めている。

注目の選手：昨年のイニスブルックでの活躍をきっかけに、新人王に登り詰めたジョーダン・スピースは、今週の世界ゴルフランキング上位30選手の中から10名を率いて出場する。全米オープンの王者、ジャスティン・ローズ、そして現在同ランク11位のマット・クーチャーにも注目だ。全英オープンの歴代チャンピオンであるダレン・クラークは、スポンサー招待選手としてイニスブルック初参戦となる。さらにピーター・ユーライン、ブルックス・ケプカ（フロリダ州在住の欧州ツアープロ）の両選手と、NCAAチャンピオンのマックス・ホマにも出場権が与えられた。

72ホールの大会記録：「266」ビジェイ・シン（2004年）

18ホールの大会記録：「61」パドレイグ・ハリントン（2012年の初日）

昨年の大会ダイジェスト：ケビン・ストリールマンが、激戦となった週末2日間をノーボギーの「65-67」でラウンドし、追いすがるブー・ウィークリーを2打差で下して悲願のツアー初優勝を果たした。難しいピン位置の13番（パー3）で、5番アイアンで約2メートルにつけバーディを決め、ジャスティン・レナードを振り切ったストリールマンが、17番では約6メートルのバーディパットを決め、優勝を大きく引き寄せた。一方、首位グループから3時間も前に最終日をスタートしたウィークリーは、平均スコアより「8.6」打も少ない8アンダー「63」の素晴らしいスコアをマークして2位に食い込んだ。7位タイと健闘が光ったスピースはこれでツアーの暫定メンバーとなり、やがて「ジョンディアクラシック」で優勝を遂げ、晴れてフルメンバーへと昇格した。

ストーリーライン：大会がはじまった最初の10年間を振り返ると、この大会でツアー初優勝を遂げた選手はわずか1人だったが、直近3年ではゲリー・ウッドランド（2011年）、ストリールマン（2013年）と2名の初優勝者を輩出している。今週の優勝候補筆頭はラッセル・ノックスだろう。「ザ・ホンダクラシック」では4選手によるプレーオフに名を連ねた。世界ランク28位のグラハム・デュレットも侮れない。前年王者のストリールマンも連覇を狙っている。彼は正月の「ヒュンダイトーナメントofチャンピオンズ」では3位タイだったが、続く3戦では上位30位に入ることができなかった。大会史上、連覇を達成した選手はひとりもおらず、わずかに3選手が優勝翌年の大会でトップ10に入っただけだ。

豆知識：カッパーヘッド名物の“スネークピット”は、昨年のツアー全体で、上がり3ホールの難度として6番目の値をマークした。平均で「0.637」打もパーを上回ったこのスコアは、12年実績を上回る難度となり、メジャー大会以外のコースとしては、クエイルホロークラブ（ウェルズファーゴ選手権）、ミュアフィールドビレッジ（ザ・メモリアルトーナメント）に次ぐ難所となった。今大会がツアー公式戦に名を連ねた00年以降、毎年参戦を続ける唯一の選手は、ブライアン・ゲイだ。彼のベストは2007年の4位タイとなっている。スコット・ブラウンは、ツアー最多となる13戦目のスタートを切ることとなる。彼はわずかにWGC2大会（HSBCチャンピオンズ、マッチプレー選手権）と、フェニックスオープンに欠場しただけだ。