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2017年 全米オープン
期間:06/15〜06/18 場所:エリンヒルズ(ウィスコンシン州)

「最悪です」と吐き捨てた松山英樹、パット練習で得た援軍

◇海外メジャー第2戦◇全米オープン 初日(15日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇7845yd(パー72)

ハイライトは早々に訪れた。この日6ホール目の15番(パー4)で、残り103ydから52度のウェッジで放った松山英樹の第2打は、ピン左奧5mほどに落ちると、右手前へ下る傾斜を伝ってピンに向かい、そのままカップイン。両手を挙げてバンザイで歓声に応えたあと、同組のリッキー・ファウラー、ホン・ラーム(スペイン)とのハイタッチでイーグル奪取を喜んだ。

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だが、「それだけです」と、終わってみれば1イーグル、4ボギーの2オーバー「74」で82位と大きく出遅れた。イーグル直後の16番は4mのバーディチャンスを決めきれず、17番はグリーン奧から同じく4mに寄せたパーパットがカップをかすめた。

フェアウェイキープ率は14分の9でフィールド平均(73%)を下回る64%。パーオン率はちょうど半分の50%で、「あれだけ広いフェアウェイに打てない自分が悪い」と、あきれ顔で振り返った。風は弱く、グリーンは軟らかい。同組のファウラーが初日の大会記録に並ぶ7アンダーで飛び出したが、「良い人は(スコアが)出るなと思って回っていた。出なかったということは、僕の状態が悪いということ」と深く息を吐き出した。

ショットもパットも、とても満足できるパフォーマンスではない。初日の2オーバーを「最悪です」と吐き捨てて、すぐに練習場へと足を向けた。

パッティンググリーンで黙々と練習をしていると、そこに歩み寄ったのは宮里優作の父・優(まさる)氏。かつて優作のバッグを担いでいた進藤大典キャディから連絡があり、前日、この日のホールアウト後と、松山のパッティングを助けている。

実は、松山が東北福祉大4年のとき、同大の阿部靖彦監督とともに、パットを教わりに沖縄県名護市の優氏を訪ねてきたことがあるという。「世界ランク4位まで行ったのだから、こっちからは言わないけど、聞かれたら…(答える)」と優氏。この日は松山にグリップ(握り方)についてポイントを教えると、その後はロープ外から様子を眺めて「いまの方がはるかにいい」と、満足そうにうなずいていた。

「彼くらいの選手なら、やることが分かれば大丈夫。考えずに打てるようになるまでは3試合くらい掛かると思うけど」と優氏は言う。世界ランク1位に輝いた宮里藍を育てた先生が、いまここにいる幸運。振り返れば、宮里優作が突破したあの劇的な44ホールの予選会から、ストーリーは続いている。(ウィスコンシン州エリン/今岡涼太)

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