ショット復調の松山英樹「楽しみ」 谷原、宮里らと練習ラウンド
2017年 全米オープン
期間:06/15〜06/18 場所:エリンヒルズ(ウィスコンシン州)
先輩の気遣いで和やかムード 谷原&松山が最後の調整
◇海外メジャー第2戦◇全米オープン 事前(14日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇7741yd(パー72)
「みなさん、見ましたか?あの英樹の笑顔を!」開幕前日、そうアピールしたのは東北福祉大学の先輩である谷原秀人。この日も前日に続き、松山英樹とアウト9ホールの練習ラウンドをともにして、終始リラックスムードを演出した。
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「(気兼ねなくプレーできて)英樹は楽でしょう。こっちが後輩に気を遣ってばっかりですよ。大ちゃん(松山キャディで同大卒の進藤大典さん)が、『バッグが軽いですー。ハーフが早いっすー』ってね(笑)」と、メジャー開幕を翌日に控えた緊張感の中でも、先輩たちのさりげない気遣いと冗談で場を和ませていたようだ。
「まあ、こっちも英樹のプレーを見ることで、やらなきゃいけないことが見えてくる」と谷原はいう。それでも、38歳になったいま、若いころのように闇雲に周りに影響されることはなくなった。「昔は(外国人選手と)同じ音を出そうとして強振したりしていたけど、いまは、『すごいなー』、『いいなー』みたいな(笑)。結局いつも相手はいるけど、自分のゴルフしか出来ないですから」と達観している。
この日の8番ホール。ティショットのランディング地点が丘状になったフェアウェイに対し、谷原の球は登り坂の途中で止まり、一方の松山は丘の先の下り斜面まで達して、2人の飛距離差はざっと40ydほど。続く2打目は、谷原が4Iを握ったのに対して、松山は9Iを手にしていた。
前週、雨でほとんど練習ができなかったという松山は、多めの休みが幸いしたか、「ザ・メモリアルトーナメント」で気にしていた左肘を気にすることもなく、豪快なスイングを連発している。「不安がなくなって楽しみ」という本人の言葉通り、ここまでは順調な仕上がりと言えそうだ。
今週、谷原のキャディを務めるのは、大学の1年後輩でツアー2勝の谷口拓也プロ。1998年の「日本アマ」以来のタッグとなるが、「(選手だから)目線が同じだし、楽しく回れそう」と2人の雰囲気は明るい。谷口は「緊張してテンパらないように頑張りたい」と冗談っぽく笑った。
谷原にとっては、昨年の「全米オープン」から、これでメジャー5大会連続出場となる。「ショット自体は変わってないけど、焦らないところがいい。高ぶってはいないです」と、欧米ツアーを転戦する今シーズンは、大舞台への慣れ方もこれまでとは違う。「まずは予選通過です」という目標も、ほどよく肩の力が抜けている。(ウィスコンシン州エリン/今岡涼太)