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混乱か?蜜月か?切っても切れないトランプ氏とゴルフ界の関係

世界中が「まさか」の一声に包まれた米大統領選。次期大統領として、民意が超大国の45代目のかじ取り役を任せたのは、共和党のドナルド・トランプ氏(70)だった。米フォーブス誌によると、過去60年間に就任した大統領は全員ゴルフをたしなむというが、自らゴルフ場経営まで手掛けるトランプ氏はその中でも特筆すべき存在となりそうだ。

1970年代からオフィスビル開発やホテル、カジノ経営を始め、いつしか「不動産王」と呼ばれるようになったことで知られるトランプ氏。著書『ザ・アート・オブ・カムバック』によると、その成功への過程では「数時間でも頭の中から仕事を追い出して、小さなムカツク白いボールを必死で追いかけたんだよ。でもゴルフは現実逃避の場所だけじゃなかった。ゴルフを通じていろんな人に出会ったんだ」とゴルフが大きな役割を果たしており、思い入れもひとしおだ。

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1999年には富豪が居を並べ、自身も邸宅を構えるフロリダ州パームビーチの空港そばにトランプインターナショナルゴルフクラブをオープンさせ、ビジネスとしてゴルフ界に進出した。「政財界で力のある人物が皆ここでプレーしたがるんだ。よく頼みごとの電話がかかってくる。私が彼らにここでプレーさせてあげるだけで、彼らに貸しができるというわけさ」と自著で明かし、この決断は大統領選を勝つまでに至った現在へとつながったようだ。

その後も、ゴルフ場開発やゴルフ場買収で規模を広げ、現在はトランプ印のゴルフ場は18コースに及んでいる。開発にあたっては、ジャック・ニクラスら著名プロに設計監修を依頼。買収においては、全英オープン開催コースのひとつターンベリー(スコットランド)やWGC開催コースのドラール(フロリダ州、現在はトランプナショナルドラール)を狙う超高級ブランド戦略で、トーナメントとの関わりを重視しながらゴルフ場事業も軌道に乗せていった。

ちなみに、ペンシルバニア大時代からのプレーヤーとしての腕前は、少なくとも大統領選に出馬する前までは、ハンディキャップ「5」、生涯ホールインワン5回、クラブチャンピオンをたびたび獲得した--と伝えられたほどだ。

もちろん、持ち前の馬力で存在感を増していったゴルフ界でも、今回の大統領選さながらの経緯を生み出している。昨年には米フォーチュン誌のインタビューで「ゴルフはエリートのもの。懸命に働き、いつかゴルフができるようになりたい!という憧れであればいい」と発言。ゴルフの普及を図りたい米国内のゴルフ団体からは明確に距離を置かれる存在となった。

大統領選での一連の発言の影響もあってか、昨シーズンからはトランプ氏所有コースでのトーナメントは、開催コース変更が相次いでいる。第39代大統領のジミー・カーター政権で経済顧問を務めた経歴を持つ米PGAツアーのティム・フィンチェムコミッショナーは、政治と開催地変更の因果関係を否定したが、今年までドラールを舞台としていた「WGCキャデラック選手権」が、皮肉にも、来年からは「WGCメキシコ選手権」として、トランプ氏が「国境に壁を築く」と言い放ったメキシコで開催されることになった。

ゴルフ史を彩ってきた名門コースを複数所有するオーナーである以上、トランプ氏とゴルフ界は「切っても切れない関係」といえそうだ。ついに核兵器のボタンを手にする異端児と、世界のゴルフ界はどう向き合っていくことになるのだろうか。



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