ショットもパットも“ある程度”手応えは掴んできたという松山英樹は4位へ浮上

松山英樹の組について歩いていたCBSのレポーターはこう話した。「彼はミスをしてもまだ良いところに付いている。それがとても印象的だ」。オハイオ州にあるミュアフィールドビレッジGCで行われた「ザ・メモリアルトーナメント」の2日目、松山は6バーディ1ボギーの「67」で通算7アンダー4位タイに浮上した。

綺麗なスコアカードとは裏腹に、松山のショット後のリアクションは不満げなものが多かった。10番スタートのこの日、2バーディを奪って迎えた18番の第2打はピンまで残り193ヤード。6Iでダフリ気味に入り、「バンカーかなと思って歩いて行ったら、拍手があったのでどうしたんだろう？」と思ったショットがピンそば30センチについてバーディ奪取。4番（パー3）のティショットも、やや右サイドに出てうなだれたが、グリーンの傾斜を左へと転がってピンそば2メートルで静かに止まった。

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「自分の中で、すごいミスショットがたまたま良いところについているのでラッキー」という松山だが、その一方で完璧な2打目がピンをわずかにオーバーしてラフまで達し、バーディを取りこぼした7番（パー5）など、本来の切れ味鋭いショットが戻ってきていることも確か。「“ある程度”は打てるようになってきた」と、控え目だが自己評価も上がってきている。

パッティングも同様だ。ティショットがバンカーに捕まった16番では、2メートル弱のパーパットをねじ込んで17番、18番の連続バーディへと繋げ、折り返した5番（パー5）では3.5メートル、6番では2メートルとチャンスでは落ち着いてカップへと流し込んだ。

それでも、「（パットは）昨日より良くない」と松山に笑顔はない。15番（パー5）、7番（パー5）で1.5メートルのバーディパットを外し、5番（パー5）でも3.5メートルのイーグルチャンスをものにすることが出来なかった。追い求めているレベルは周囲の期待よりもずっと高い。

「結果は結果なので良いかなとは思うけど、そこで満足していたら先週の最終日みたいに悪くなってくる」と、松山の目には頂点しか映っていない。「“ある程度”が、もう少し精度の高い確信に変わってきたら、本当に優勝が見えてくる。それに向けて練習するだけ」。残りは36ホール。優勝争いこそ、なによりの鍛錬の場だ。（オハイオ州ダブリン／今岡涼太）