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【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米プロレポート2013<4>】

藤田さんの今年の「全米プロゴルフ選手権」は10番スタートから始まり、いきなりのバーディ、バーディで、最高のスタートを切りました。

続く12番から14番までも全てバーディチャンス。でも、そのまま徐々に藤田さんの形に持って行こうとした直後の15番ショートホールに落とし穴が待っていました・・・。結果から言うと、このホールで藤田さんはトリプルボギーを叩きます。

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ティショットをダフってグリーン手前20ヤードのラフへ。そこから打ったバンカー越えのアプローチが、バンカーを超えた所の下り斜面に当たり、弾かれて池へ。そしてドロップゾーンから3回かかってトリプルボギー。これだけ聞くと、藤田さんのミスショットが大トラブルを招いたように聞こえるでしょ。でも違うんです。これは藤田さんと僕との間にあった僅かな“迷い”の中で、起こるべくして起こったトラブル。実はこのショートホールは練習ラウンドで2度回り、その2回ともキャリーで奥のバンカーに打ち込んでいたんです。

今日のピンは手前から14ヤードで、右4ヤード。池の際の難しい位置でした。グリーンエッジまでは打ち下ろしを入れて161ヤードで、ピンまでは175ヤード。風は軽い左からのアゲンストが吹いていたので、セオリーとしては池だけは避けなきゃいけないからグリーンの左サイドに打ち出して、ピンの左手前に置きたかった。

藤田さんが迷ったのは7番アイアンでしっかり行くか、6番で距離を合わせてラインを出して行くか。藤田さんの7番アイアンのキャリーは161ヤードから164ヤードなので、普通なら7番でピッタリなんだけど、今日は少しだけアゲンストが吹いていたから藤田さんは「6番の方がいいよな?」って僕に聞いたんです。僕は「はい、そうですね・・・」と迷いながら答えました。

なぜ迷ったかと言うと藤田さんが、6番では大きいんじゃないか?と思っているのが表情から読み取れたから。練習ラウンドで完璧に打ったティショットが2発ともキャリーで奥のバンカーに入っているんだから、そのイメージが強く残っているのは当然です。藤田さんの表情と言葉から、僕に「7番アイアンで絶対に行きます!」って言って欲しいのも読み取れたんだけど、今日の藤田さんの調子なら6番で距離を合わせた方が安全なような気もしたから・・・。

あの大ダフリは、決してスイングのミスではありません。藤田さんは明らかに打つ瞬間、奥のバンカーを嫌がって緩んでしまった。

他の選手とキャディと、僕らとの大きな違いは、お互いの考えている事が誰よりも分かる事。15年間、朝から晩まで一緒にいるんですから当然ですよ。でも、その最強の武器を使う事が出来なかった。迷っている藤田さんが心の中で僕に、「7番で行きましょうって言ってくれ!」って言ってたのに、それに瞬時に応えれなかった。

もちろんこれは結果だから7番で打っていたらどうなってたなんてわからないけど、トリプルボギーになる事は絶対になかったでしょう。

でもね、メジャートーナメントでのトリプルボギーは普通なら大ダメージになるんだけど、今日はやはり出だしの2バーディが大きかった。藤田さんの心がそこで折れる事はなく、その後も2メートル前後のパーパットを入れ続けてトータル1オーバーでホールアウト。初日の順位は50位タイです。これまでのメジャーは初日に大きく出遅れる事が多かったから、それを考えると予選通過圏内の50位は最高のスタートと言えるんじゃないでしょうか。

あと3日、今度こそは他のどのコンビにも負けない“チームワーク”を魅せつけてやる!

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