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国内唯一のマッチプレーはあす開幕 片山晋呉の“お・も・て・な・し”

片山晋呉は暇を見つけて、文房具屋に足を運ぶことがある。ファンの間では小さい頃から気づいたことを書き留めた“ゴルフノート”の存在も知られていれるが、近頃は手紙をしたためることも多くなった。「最近はヨドバシカメラの文房具屋がいいんだ。いろんなものを置いている。便箋とかイイのよ」。今年で2度目の開催となる「片山晋呉インビテーショナル ネスレ日本マッチプレー選手権 レクサス杯」。片山は、自ら筆ペンで書いたお礼状を出場する全選手に贈ったという。

11日(金)に開幕する国内唯一のマッチプレー戦。大会ホストは今年もあいさつ回りを始め、大忙しだった。1回戦は22歳の浅地洋佑と対戦する。ケガを抱えて迎えた前年大会と比べれば状態はいいが「もう(パワーが)残ってないよ」と苦笑いしたままティオフを迎えそうだ。

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世界に羽ばたく日本人選手を育むことを主眼に置いたツアー外競技は今年、優勝者に贈られる賞金が5000万円(うち1000万円は海外進出支援金)から7000万円になった。国内ツアー最高額の4000万円をはるかにしのぐ数字。それでも、多くのメジャーや世界選手権への出場経験がある片山は、本気で世界進出を目指す選手にとっては、これも妥当といえる金額だという。

「例えばマスターズに1回行ったら、極端な話、(経費が)500万円くらいかかる。スタッフの分も含めるとね。そういうのは出ないと分からない。お金がかかるから『その分トレーナーを連れて行くのをやめようか…』となるかもしれないけれど、やっぱり思い切ってやりたいなら(トレーナーは)必要でしょう」。日本を飛び出す気概がいくらあっても、金銭面の現実的な問題はやはり直視せざるを得ない。

だが片山には、この3日間大会の価値をビッグマネーだけに求める気はない。追求するのは忙しいツアーの合間を縫って出場してくれた選手たちに対する敬意。だから今回、北海道に向かう飛行機での移動中にも、筆を執った。

「いままで世界中の試合に出てきて『こうやったら、選手は嬉しいんじゃないかな』というのを考えた。選手を甘やかすのではなく“温かさ”を出してあげたかった」。過去に欧州で出た試合などで、同じように主催者から手紙をもらって胸が熱くなった経験がある。「メールとかLINEじゃ通じないこともあるんじゃないか。ヘタな字だけど、一生懸命書くことでなにかが伝わればいい。他にこういう大会ができたら、こういうことをしてほしいなと僕は思う」。

苦境にあえぐ日本の男子ツアーだが、片山は「やり方次第」と言った。賛同してもらえれば、莫大なお金を捻出してくれる企業やグループは確かにある。「何人が僕の気持ちを分かってくれるか分からないけどね」。最年少永久シード選手は、40代も半ばに差し掛かり新たな道を歩んでいる。(北海道恵庭市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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