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まさに鉄人・室田淳、60歳の挑戦

2015/02/23 08:15

60歳の今年もレギュラーとシニア両ツアー 60歳の今年もレギュラーとシニア両ツアーで戦う室田淳

昨年のレギュラーツアーの賞金ランキングで73位に入った室田は、史上最年長の59歳(当時)で“シードに復活したとして注目を浴びた。と、この鉄人ぶりを語る前に、補則しておかなければならないのは昨季から改定された、いわゆる“シード権制度”だろう。

昨年末にはたびたび話題にのぼり、聞き飽きた方もおられるだろうが、開幕前にもう一度さらっとだけおさらいをさせていただく。以前よりもちょっぴり複雑化しているので、まずは端的にいうと、今季2015年の出場権が確実に得られたのは、賞金ランクの上位60人までの選手で、従来の同70人から10人減ったことになる。これが改正点のまずひとつめ。

そして2点目は同61人から75人にも出場権が与えられることだ。上位60人までの選手よりは出場できる試合は減るものの、ツアー前半期の権利が与えられ、最終予選会のファイナルQTの出場も免除されるかわりに、秋には出場優先順位の入れ替え(リランキング)の対象枠とするとした。

つまりシード選手の枠の中に、2つのカテゴリーが生まれたわけである。これらを区別するために、誰が言い出したか上位60人を「第一シード」とか「本シード」と呼び、61人から75人までを「第二シード」とか「準シード」などの呼称で選手たちが話すようになったのである。これに準じて話題を進めると、つまりランク73位の室田は「第二シード」の資格で復活を果たしたことになるわけだ。

もっとも一度はレギュラーツアーからの撤退を覚悟した室田だ。昨年のシード権争いの“最終戦”にあたるカシオワールドオープン直前の賞金ランクは66位。圏外に吐き出される危険を承知で室田が同週に向かった先は、シニアツアーの最終戦となる「いわさき白露シニア」だった。

当時、シニアの賞金ランクをトップで同大会を迎えた室田がその2つを天秤にかけたときに、自身4度目の“賞金王”を目指すのは、当然の心境だと思う。「もうレギュラーは今年で最後」とそこまでの覚悟で挑んだだけに、優勝賞金1200万円の同大会を制した倉本昌弘に、逆転で王座をさらわれた室田の無念は察するにあまりある。

レギュラーツアーのチャンスを蹴ってまで、賭けたベテランの男気。二兎を追わない潔さがちゃんとレギュラーのほうで報われたのがまだ救いだった。「第二シード」に潜り込み、これで今年もまた、室田の“二足のわらじ生活”が決まった。

昨年の室田の“獲得賞金総額”は、5012万6213円。出場試合数は海外シニアも合わせると、そんじょそこらの20、30代選手よりもよっぽどの過密スケジュールである。若手に負けないスタミナとパワーは、日々の鍛錬によるのは言うまでもないこととしても、後輩プロのこんな証言も。

練習仲間でもある丸山大輔はいつも、室田のクラブおたくぶりに驚かされるという。「本当にあの人は、いつどこでそんなに調べてくるのかというくらい、道具選びの天才です。既存のドライバーやアイアンも、そこに最新のシャフトを組み合わせ、絶妙のフィッティングで使いこなしている。試行錯誤で逆に失敗する選手も多いけど、その辺の室田さんの嗅覚は別格ですよ」。

若手に負けない飛距離と工夫と探求心で、還暦を迎えた今年もあちこちに“出没”して暴れ回ることは間違いない。60歳を超えてもレギュラーツアーに挑戦し続けるという点では青木やジャンボ、中嶋も同じでも、AONと決定的に違うのは室田が永久シードを持っていないという点だ。そして、むしろそれこそが、室田が他の選手から絶大な尊敬を集める理由なのである。

果敢に挑み続ける60歳。恐るべし還暦ゴルファーの挑戦が、今年も始まる。


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