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マスターズ
期間:04/06~04/09  場所: オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

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マスターズが時代遅れにならない理由 勇退するペイン氏に学ぶバランス感覚

多くのパトロンに支えられるゴルフの祭典「マスターズ」 ※2017年最終日撮影

ある一人のゴルフの功労者が引退を発表しました。10月16日をもって勇退するオーガスタ・ナショナルGCのチェアマン、ビリー・ペイン氏のことです。

ペイン氏は1996年アトランタ五輪の組織委員長を務め、2006年5月に「マスターズ」の開催コースであるオーガスタ・ナショナルGCのチェアマンに就任。2009年には、優勝者にマスターズ出場権を付与する「アジアパシフィックアマチュア選手権」を創設しました。

松山英樹選手はこの大会で2010年、11年と連覇を果たし、アマチュア時代に2度もマスターズを経験することになります。11年のマスターズではローアマを獲得。その際にペイン氏が「ヒデキは一番の成功例。偉大な優勝者だ」と称えたことはよく知られています。この経験があったからこそ、いまの松山選手の快進撃があるといっても過言ではない機会でした。

ペイン氏の改革でどこが一番優れていたかというと、バランス感覚だと思います。単に新しいことをやろうとしても、周りや部下たちは付いてきません。特に格式や伝統を重んじるゴルフの世界では、新しいものを拒む傾向が強く残っています。

しかし、彼はその伝統を守りつつ、新しいことを取り入れるというバランス能力に長けていました。それまで確固としてあったオーガスタのイメージを壊すことなく、改革していきました。

彼の功績が垣間見られる象徴的なシーンが、マスターズの前週に開催される「ドライブ・チップ&パット」というジュニアイベントです。ペイン氏が就任する前は、ジュニアどころか女性会員もゼロという状況で、ゴルフを多くの人に楽しんでもらおうと彼は積極的に働きかけてきました。

マスターズの観戦を“ジュニア無料”に舵を切ったのもペイン氏の功績です。オーガスタGCが認めたパトロンに伴われれば、8歳から16歳はトーナメント期間中無料(練習日を除く)というルールを2008年からスタートしました。

日本のメンバーコースではなかなか難しい改革ではありますが、彼のようなバランス感覚を持ったチャレンジを続けていけば、国内でもきっとゴルフの裾野を広げられるでしょう。いまゴルフが置かれている課題に対して、ペイン氏の功績は何か大きなヒントになり得るような気がしています。(解説・佐藤信人)

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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