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全米プロゴルフ選手権
期間:08/10~08/13  場所: クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)

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松山英樹の最終日優勝争い “先手後手”で見えてくる勝負の綾

16番のパーパットを外し、松山英樹は万事休した

◇海外メジャー◇全米プロゴルフ選手権 最終日(13日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7600yd(パー71)

ホールアウト後の取材で、敗因について「考えます」と述べ、涙をぬぐった松山英樹選手。日本人初のメジャー制覇に期待が高まった分、優勝したジャスティン・トーマス選手との「差」を問う人は大勢いると思います。

ですが私は、同組でプレーした彼ら2人の間に実力やメンタルの「差」というものを、最終日のどの場面でも感じることがありませんでした。強く感じたのは、先に打つか?後に打つか?で発生する勝負の綾。優勝争いが実質的に2人に絞られてマッチプレーの様相を呈したことで、“先手後手”の微妙な駆け引きが大きく影響したように見受けられました。

松山選手も試合後に「11番のセカンドが痛かった」と振り返った場面は、先に2打目を打ったトーマス選手がグリーン奥のそれほど良い場所に置けず、それを見て“後手”として臨んだ一打でした。

そこまで良い流れでトップに立っていた松山選手。少しばかりの隙があったのか、結果はグリーン右に外し、3打目で1.3mに寄せた後のパーパットも決めることができずにボギー。逆に“先手”でチャンスにつけられなかったトーマス選手は、2パットでパー。この差が、その後の試合展開を左右したように感じました。

その後、松山選手はボギーが続きましたが、14、15番とバーディで息を吹き返して迎えた16番から17番にかけても、先手後手で勝負の綾があったように思います。両者とも1~2mのパーパットを残した16番グリーンで、“先手”のトーマス選手が沈め、“後手”の松山選手が外しました。試合最終盤での1打ですから、もちろんこのミスは大きいのですが、それと同じくらい、その後の17番(パー3)のティショットで、トーマス選手が松山選手より先に打てることになったのが大きなポイントだったかと思います。

この日の17番は池方向の左端に切られたピン位置で、右端しか狙えない状況でのティショットでした。“先手”のトーマス選手は右サイドからフックをかけて中央の好位置につける会心のショットを放ちます。このとき2人は2打差。“後手”の松山選手は、トーマス選手の内側につけなければならない追い詰められた状況となり、結果はグリーン右に。16番のパーパットを入れ、先に松山選手がティショットを打てていたなら、また違った展開になっていたことでしょう。

世界屈指の実力者が集うメジャーの大舞台。勝敗を分けるものは、ショットやパットの精度より、意外とこういった先手後手のめぐりあわせが流れに大きく影響するものと再認識させられました。(解説・佐藤信人)

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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