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佐藤信人の視点 勝者と敗者

16番“ザ・モンスター”で見せた松山英樹の次元を超えたショット

◇世界選手権シリーズ◇WGCブリヂストン招待 最終日(6日)◇ファイヤーストーンCC(オハイオ州)◇7400yd(パー70)

まさに“次元を超えたゴルフ”――そう思わせたのは、「WGCブリヂストン招待」を制した松山英樹の最終日のプレーでした。

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なかでも印象的だったのが、ファイヤーストーンCCの名物ホール、16番で見せたサードショット。このホールは、667ヤードのパー5。同コースで開催された1960年の全米プロでトリプルボギーをたたいたアーノルド・パーマーが、“ザ・モンスター”と名付けたことで有名な難関ホールです。

松山選手は試合後のインタビューで、「最後の(上がり)3つを取れば、4年前のタイガー・ウッズ(が出したコースレコード)に並ぶと思った…」と語った通り、彼の中でこのホールから、何かスイッチのようなものが入った感覚があったのかも知れません。

ティショットで右のラフに入れてしまい、セカンドショットは残り100yd付近に置きました。すでに13アンダーにしていた彼にとって、唯一注意しなくてはいけないのがグリーン手前の池でした。

この日のピン位置は、池の淵ギリギリに位置しており、デッドに狙うには難しい状況。そこへきて優勝争いをしているわけですから、セオリーとしてはグリーン真ん中に置き、2パットでいいわけです。ですが、松山選手はピンそば2~3mに落とし、スピンをかけて残り1mに止めました。

この場面であのショットを放つというのは、優勝とか、誰に勝つということだけではない、彼の頭の中の“理想型”、自分のスタイルのようなものをあえて狙っている部分がうかがえました。

それは、通常の選手では感じられない、タイガー・ウッズジョーダン・スピースロリー・マキロイ(北アイルランド)といった世界のトップクラスでしか見受けられないプレースタイル。そうそうたるメンバーと肩を並べたことを印象付けた場面といえると思います。

今季の活躍だけではなく、今後長くゴルフ界の頂上に君臨する存在。そんなレベルの高さを感じさせてくれたショットだったような気がします。全英オープンから好調をキープしている松山選手。来週の全米プロでも、これまで通りの実力を発揮できれば、確実に優勝争いを演じてくれると期待しています。(解説・佐藤信人)

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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