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全英オープン
期間:07/20~07/23  場所: ロイヤルバークデールGC(イングランド)

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「天才」だからこそ噛みしめる敗北の重み

完全優勝を果たしたJ.スピース(画像左) 完全優勝を果たしたJ.スピース(画像左)と、デットヒートを繰り広げたM.クーチャー(右)

◇海外メジャー◇全英オープン 最終日(23日)◇ロイヤルバークデールGC(イングランド)◇7156yd(パー70)

今回の全英オープンは対照的な2人の英雄が大いに盛り上げてくれました。“対照的”というのは、ジョーダン・スピースが若くして才能を開花させた「早熟プレーヤー」と称されるのに対し、2010年 32歳で賞金王に輝くまで伸び悩んだマット・クーチャーが“晩熟プレーヤー”であるという点です。

マット・クーチャーのデビューは、まさに鮮烈。1997年の全米アマを制し、翌98年にマスターズでローアマを獲得。同年の全米オープンで一時首位に2打差と迫るなど大健闘を見せ、早くから「天才」という称号を得ていました。

しかし、奇しくも今年と同じロイヤルバークデールGCでの全英オープンでは、予選落ち。メジャーの舞台で初めて叩きのめされました。その後の全英は予選落ちが続き、メジャー通算47回の出場になりますが、いまだビッグタイトルに手が届いていません。

そんな彼に、千載一遇のチャンスが訪れたのが今回の全英オープンでした。その舞台が、最初にメジャーの洗礼を味わったロイヤルバークデールというのも面白いめぐり合わせです。

サンデーバックナインは、まさにスピースとのデッドヒートを展開。難しいパットを沈めても入れ返される。私は昨年のヘンリック・ステンソンフィル・ミケルソンのそれと重ね合わせて見ていましたが、同じように感じた人も多かったのではないでしょうか。

昨年、ミケルソンは試合後「最善を尽くして負けたことが悔しい…」といった内容の言葉を残しましたが、今年のクーチャーも同じように痛切な思いをめぐらせたことは想像できます。

“Good Loser”、負け惜しみを言わず、潔い言動が賞賛されていますが、以前「天才」と呼ばれ、その後長い低迷期を味わった彼だからこそ、この敗北の大きさを痛感していることと思いました。(解説・佐藤信人)

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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