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初優勝をたぐり寄せた青木瀬令奈の「客観心」

2017/06/06 12:50

目に涙を浮かべて優勝スピーチ。青木瀬令奈は「客観心」を手に入れたか

◇国内女子◇ヨネックスレディスゴルフトーナメント 最終日(4日)◇ヨネックスCC(新潟)◇6423yd(パー72)

先週のヨネックスレディスは、雷雲接近のため初日中止となり、急遽36ホールの競技短縮というイレギュラーな大会でした。この状況で勝つことができた青木瀬令奈選手の勝因は、プレーしている自分を一歩引いた所から眺めているような精神面、言いかえれば「客観心」の賜物だと思われます。

初優勝できるタイミングは選手ぞれぞれです。今回の青木瀬令奈選手のようにデビュー7年目でようやく挙げる選手もいれば、アマチュア時代にあっという間に取れてしまう選手もいます。ただ共通しているな、と感じるのは千載一遇のチャンスをモノにする「客観心」です。

ただの「客観視」ではありません。うまく伝えるのは難しいですが、鼻息荒く優勝を取りにいってもダメ、経験を生かして静かなゴルフをしていてもダメなときはダメ。そう自分をうまく客観視して、行けると思ったときのムチの入れ方がうまい人、「客観心」を持った人にこそ勝利の女神が降りてくるのだと思います。

私の初優勝は、初めてシード選手となった年(1997年)のJCBクラシック仙台。3日目を終わって2位と4打差の単独首位に立っていたのですが、後続には尾崎直道さんや金子柱憲さんなどトーナメントの常連が付けており、まさか自分が優勝できるなんて思っていませんでした。特に、その週は練習日から絶不調。ボールに当たる気すらせず、どうしたら真っすぐ飛んでくれるのかと、そればかり気にしている状況でした。最終日最終組でプレーしている最中も、TVカメラの前でシャンクしたら格好悪いとか、3パットしたら締まらないとか、恥をかきたくない一心で意外と客観的に自分を見ていました。

気がつけば、今回の青木瀬令奈選手と同じ4打差をつけての初優勝でしたが、いまでも自分の力で優勝をつかみ取ったとか、何か勝つためのコツをつかんだという意識はありません。とりあえずプレーしている自分を一歩引いた所から眺めている「客観心」でいられた、という理由があったからとしか言えないのです。

ツアーで何勝もしている藤田寛之選手や片山晋呉選手を見ていると、その強さの秘訣は同じことを同じように、淡々と続けられる強さだと感じます。その“いつも変わらぬ強さ”こそが、時に訪れるチャンスをつかむ布石になるのだと思うのです。今回の青木瀬令奈選手も、勝利を収めるための「客観心」を身につけることができたのではないでしょうか。(解説・佐藤信人)

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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