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佐藤信人の視点 勝者と敗者

後輩有利のプレーオフ 上回った池田勇太の精神力

◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 最終日(17日)◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース (北海道)◇7063 yd(パー72)

プレーオフを戦う上で、先輩と後輩、どちらが有利だと思いますか? ――「ANAオープン」最終日は、先輩である31歳の池田勇太選手に、ともに24歳で後輩の時松隆光選手と今平周吾選手が立ち向かう三つ巴のプレーオフとなりました。

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多くの人が、先輩としてまた同大会で優勝経験のある池田選手が優位に立っているように見えたかもしれません。

ですが私は、時松選手や今平選手のほうに分があると見ていました。理由は、私の実体験から、先輩よりも後輩のほうが有利と感じているからです。

私が初めてプレーオフを経験した1998年の「ブリヂストンオープン」。ここで、実績も名声もある大先輩の尾崎健夫選手と一騎打ちになり、優勝することができました。当時は無我夢中でゴルフをしていましたが、後で冷静に振り返ると、先輩に胸を借りるつもりで、無心でゴルフに集中できたことが勝因だったかと思います。

今回でいうと、相手は『負けて当然』といえる昨年の賞金王の大先輩なわけです。時松選手や今平選手にとっては、胸を借りる先輩として申し分のない相手なわけです。

特に時松選手は、この大会まで7試合連続で予選落ちが続き、ようやく復調を見せて久しぶりの優勝争いでした。プレーオフで負けても、シード権獲得に大分近づくことができます。かりに優勝できたら儲けものという状況で、失うものは何もありません。勢いがつくのは当然の流れでした。

この状況で、プレーオフ2ホール続けてピンに絡むスーパーショットを放った池田選手は、非常に強い精神力と長年の練習量に裏打ちされた技術の高さを見せつけた形となりました。

先輩後輩の関係性でいうと、有利に運んでいた後輩2人より、先輩の池田選手の逆境を跳ね返す力が勝ったわけです。

このようにプレーオフは、さまざまな要素を含んで有利不利の立場が入れ替わります。ですが、結果として窮地に陥っても最後の最後で巻き返した池田選手の先輩としての意地、賞金王としての真の強さを証明した勝ち方を見ることができました。(解説・佐藤信人

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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