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帰国便をキャンセルして出場 3年ぶりVにサタヤ「なにも期待していなかった」

◇国内女子◇ゴルフ5レディス 最終日(3日)◇ゴルフ5カントリーオークビレッヂ(千葉県)◇6373yd(パー72)

3年ぶりの優勝に「信じられないです」とつぶやいたO.サタヤ(タイ)。ツアーで初めて現地ウェイティングから出場して掴んだ優勝は、その言葉通りに本人も思いもよらぬ出来事だった。

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2016年に賞金シードを失うと、昨年のファイナルQTは73位と低迷した。今年の主戦場は下部ステップアップツアー。今週、来週と2週間試合がないため、当初は母国タイに帰国しようと航空券の手配までしていたという。

だが、サタヤのキャディを務める永井眞珠(まこと)さんが、今週は韓国女子ツアーで大きな試合も開催されるため「出場チャンスがあるのでは?」と調べると、ウェイティング順が1位であることが判明。急遽予定を変更して、今季5試合目の出場にかけて、千葉県にある会場へと向かった。

先週痛めた左手首に加え、今週になって右肘痛に苦しんだ。事前に1ラウンドしたものの、大会が始まるとラウンド後の練習は一切せず、O.サタヤも「なにも期待していなかった」と話した。そんな中、最終日はパーオン率100%の安定したプレーを披露。勝利を確信したのは、最終日の16番(パー5)でバーディを獲ったとき。最後までリーダーボードは見なかったが、続く17番(パー3)でも10m以上のバーディパットを沈めてガッツポーズ。そのまま悠々と逃げ切った。

無欲で掴んだ勝利だったが、シーズンオフは必死だった。「すごく悔しかったし、試合に出られないと思ってすごく練習した。ロブショットを1日中練習したり、新しいことをいっぱい試したりした」と振り返る。

ステップアップツアーでは、帯同キャディはいなく、3選手に1人のハウスキャディが付く仕組み。日本語でのコミュニケーションも難しく、「1人でやるのは大変」と顔をしかめる。練習球も違えば、芝の上から打てる練習場も多くはない。マットの上から打ったことが手首を痛めた一因にもなったという。

「だから、レギュラーツアーに戻れたことが一番嬉しい。あと10年は続けたい」と、33歳になったいまもモチベーションは高いままだ。この勝利で今後1年間の出場資格を手に入れたが、次なる目標は賞金シードだ。「まだ10試合以上あるので、来シーズンのシードが獲れるまで頑張りたい」と、にこやかに微笑んだ。(千葉県市原市/今岡涼太)

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