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体調不良に「今年は勝てない?」 申ジエを笑顔に戻す今季初V

◇国内女子◇ニトリレディスゴルフトーナメント 最終日(27日)◇小樽CC (北海道)◇6548yd(パー72)

小樽のギャラリー5173人が息を呑んで見守った。1打リードで迎えた最終18番、17mのバーディパット。カップに転がりこんだボールを見届けて、いつもは冷静な申ジエ(韓国)も思わずガッツポーズを見せた。3打差の単独首位から2バーディ、4ボギーの「74」と落としたものの、通算10アンダーで今季初優勝を決めた。

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海外メジャー2勝を誇る元世界ランク1位が、接戦にもつれこまれながらも、終盤に貫禄を見せつけた。首位タイで入った後半16番では、残り220ydの2打目で3Wを使ったが、グリーン左のバンカー手前に。ピンまで17yd、バンカーの縁も近くて打ちにくい体勢ながらも、60度のウェッジを使い2mにつけてパーセーブした。そのとき首位に並んでいた同組のベイブ・リュウ(台湾)も、「すごい。私には無理。世界一のショットだと思います」と脱帽した。

「コースでプレーしているときも『優勝したい』と思ってプレーした。今年は優勝が難しいと初めて感じました」。

苦しんだすえにつかんだ頂点だった。オフの1月中旬から体調不良が続き、開幕戦から4試合目の「アクサレディス」でようやくシーズンイン。今季14試合でトップ3に5回入りながらも勝ち星には恵まれず、「長い時間集中できなかった」と振り返った。今も疲れがたまれば関節痛に悩まされているが、「体調が悪いというのは言いわけ」と歯を食いしばってきた。4日間の今大会で体重は1kg以上減ったというが、最後は笑顔でトロフィを掲げてみせた。

「今年は勝てないんじゃないかと思うときがあったが、もっといろんなトレーニングをして、美味しいものを食べて、次の試合に向けて準備したい」。元世界ランク1位の技術と精神力は、健在であることを北の大地で証明。次なる戦いを前に、しばし優勝の余韻に浸る。(北海道小樽市/玉木充)

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