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「最後に勝って終わりたい」宮里藍が笑顔と涙の引退会見

女子ゴルフの宮里藍は29日、東京都内のホテルで記者会見を行い、「モチベーションの維持が難しくなった」と今季限りで引退する理由を説明した。昨年8月に現役を退く決意を固めたという。自身の最終戦は「未定」としたが、「残り試合で、最後に勝って終わりたい」と有終の美を誓った。

明るく振る舞ってきた宮里の目にうっすら涙が浮かんだ。「すみません…」。約45分間の会見で、最後の挨拶をしていた瞬間だった。10秒ほどの間を空けて、息を吐いた。「引き際のさみしさはない。感謝しかない。本当に幸せな選手生活でした」と晴れやかに言い切った。

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女子ゴルフ人気をけん引してきた国民的スターの衝撃の引退表明から3日。海外メディアを含めて約300人の報道陣が集まる中、宮里は初めて自らの口で経緯を説明した。

「4、5年前からモチベーションを保てなくなっていた」。勝利へ向け、自分を追い込めなくなったが、メンタルコーチと何度も相談し「もう少し頑張ろう」とチーム内で意見がまとまった。当時、最大の武器のパットが「イップスのような」状態に陥っており、「これをしっかり治してから」と気持ちを奮い立たせた。

それでもモチベーションは回復せず、昨年7月の「全英リコー女子オープン」後の3週間のオフに、だれにも相談せず引退を決断。両親に伝えると「自分が幸せと思う道をいきなさい」と温かい言葉が返ってきた。

「第一線で活躍していくのは、ものすごくエネルギーのいること。自分が限界を感じてしまった。(復帰は)100%ないと思っている」

意志あるところに道はある―。長らく座右の銘としてきた言葉。自ら出した答えに、悔いる様子も迷う素振りも一切なかった。「とにかく残りの試合に全力を注ぎたい。終わった後は少し休みたいです。ゴルフを通じて人生が豊かになった」。宮里は壇上を降りるその瞬間まで、清々しかった。(編集部/林洋平)

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