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申ジエが追う母国のレジェンド・朴セリの背中

福岡県の福岡カンツリー倶楽部 和白コースで開催された国内女子ツアー「ほけんの窓口レディース」最終日、2打差3位から出た申ジエ(韓国)が、6バーディ、2ボギーの「68」でプレーして、逆転で今季初優勝を決めた。

イ・ボミキム・ハヌルとの1988年生まれの同級生対決を制した。「韓国出身の特別な選手とまわって緊張していたけど、優勝につながってすごく嬉しい」。元世界ランク女王が“特別”と認める2人とは、中学・高校時代から互いに研さんを積んできた。「彼女たちの素晴らしいプレーは、自分のモチベーションになる」。

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1番(パー5)の第3打は、ピンそば約20cmにつけた。もう少しでイーグルという正確なショットで楽々バーディ発進とし、前半3つのバーディで勢いに乗った。終盤16番(パー3)で、6番アイアンで放ったティショットをピンそば3mにつけてバーディを奪い、勝負を決定的にした。

韓国女子ゴルフ界の伝説・朴セリ(38)が、今季限りでの引退を表明した。申は、朴に憧れてゴルフを始めた『朴セリキッズ』と呼ばれる世代。「朴セリさんはプロになって20年。韓国ゴルフの歴史を変えてきた。世界で活躍してくれたから、今の自分たちがあると思う」。

今年4月に28歳を迎えた申も、米国女子ツアー11勝を挙げ、2010年には世界ランク1位に君臨した経歴を持つ。この先の10年は、申の背中を追う後輩たちへレールを敷く準備を進めるという。

昨年、韓国の光州で、申自身がスポンサーを務めるジュニア大会を開催し、約120人が参加したという。今年7月には、韓国と日本のジュニアゴルファーが一緒に参加できる第2回大会を予定している。「(朴が)自分たちに与えてくれたように、今度は次世代のジュニアゴルファーに与えたい」。

「選手としてだけではなく、ひとりの人間として尊敬されるようになりたい」。申が目指す先にはプレーヤーとしてはもちろん、人として手本とする偉大なレジェンドの背中がある。(福岡市東区/糸井順子)

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