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女子オープン制したチョン・インジの“裏技” 日米韓のナショナルタイトル奪取

無邪気?無欲?愛称“ダンボ”のチョン・インジがメジャー2勝目達成の最年少記録を更新した

「プレーを楽しむことが一番大事」。スッと伸びた背筋、柔和な笑みを浮かべながらリズミカルにフェアウェイを歩く姿は、そんな心持ちを表しているのか。

石川県の片山津GCで開催された「日本女子オープンゴルフ選手権競技」の最終日、韓国ツアーを主戦場とするチョン・インジ菊地絵理香イ・ミヒャン(韓国)とのプレーオフを制して優勝。今年5月の「ワールドレディスサロンパスカップ」に続き、日本のメジャー2連勝を飾った。21歳55日での達成は、2006年の宮里藍の21歳83日を更新するメジャー2勝目の最年少記録となった。

国内女子ツアー初参戦にして初優勝を挙げた鮮烈なデビューに続く勝利。3バーディ、1ダブルボギーの「71」で最終日の18ホールを終え、土壇場でプレーオフに持ち込んだ。

チョンはこのプレーオフで、ちょっとした“裏技”を使っていた。それは、クラブのスイッチ。「距離の長いホールだったからウッドかUTで打たないといけない」。18番(423yd)で行われるプレーオフで、2打目に距離が残ることを想定し、8Iを抜いて19度のUTをバッグに加えたのだ。

自身初となる4ホールに及んだプレーオフでは、3ホール目と4ホール目でこのUTを使用した。勝負を決めた4ホール目。ピンまで残り190ydから2打目を放つと、ボールはグリーン奥のカラーにピタリと止まった。

約2.5mを残したパーパットはわずかにカップをそれ、プレーオフの続行を覚悟したが、菊地がボギーパットを外した。76ホールの戦いを終えると、それまで引き締まった表情から笑顔がこぼれた。

今週は韓国でも試合が行われているが、あえて日本のメジャーに参戦した。自身が韓国ツアーで初優勝を飾ったのもメジャー大会(2013年「韓国女子オープン」)だったこともあり、「一昨年から出場したいと思っていた。日本のメジャーの雰囲気を味わいたかった」という。

この優勝で「韓国女子オープン」「全米女子オープン」「日本女子オープン」のナショナルオープン3タイトルを制した。「日本では来るたびに楽しい時間を過ごしています。優勝することよりも、プレーを楽しみに来ているの」――無邪気か無欲か、恐るべし21歳。新たな羽を得た“ダンボ”はさらに空高く飛び立つ。(石川県加賀市/糸井順子)


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