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西山ゆかり 師匠・芹澤信雄とつかんだ初V は「夢見心地」

「最終日の18ホールを笑顔で完走させたい」。師匠であり、今週キャディを務めた芹澤信雄の想いは、しっかりと愛弟子・西山ゆかりに届いた。北海道の札幌国際CC島松コースで開催された「meijiカップ」最終日、5ストローク伸ばして首位に並んだ鈴木愛を2ホールに及んだプレーオフで下し、プロ転向から7年目で悲願のツアー初優勝を飾った。

朝から食事がのどを通らないほど、緊張していたという西山だが、前半はトータル4つのバーディで首位を堅守。優勝が近くに見え始めた終盤の17番(パー3)で約2mのパーパットを外してボギー。先に通算8アンダーでホールアウトしていた鈴木愛に並ばれ、最終ホールに臨んだ。「3パットしたらプレーオフ進出もない」。正規の18番ではピン奥からの下りのバーディパットを約50cmショートさせたものの、きっちりパーを拾って望みをつないだ。

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プレーオフ2ホール目、鈴木がピン奥約2mのチャンスにつけたのに対し、西山はピン左手前6m。このとき、キャディの芹澤に「どうしても勝ちたいです」と宣言した。「今やることに集中しろ」という師匠の言葉を受け止め、浅いスライスラインを読み切って沈めた。「相手のバーディパットが残っていた。芹澤プロから『次のホールに行くつもりでいろよ、気持ちを切らすな』と言われて」。再び表情を引き締めながら、歓喜の瞬間を待った。

「まだ夢の中にいるよう。きょうは1日ずっとそんな風でした」。優勝の瞬間、うれし涙ではなく、喜びの笑みがこぼれたのは、実感すら沸かないほどの夢見心地だったからだ。

「師匠が担いで、初優勝なんてカッコいいでしょ?ミッション成功だね」と、照れ笑いとともに3日間の戦いを振り返ったのは芹澤だ。「ピンポジも難しかったからセーフティにセーフティに、毎ホールをこなしていった。前半の4つのバーディには驚いたけどね」。2日目の“予行演習”もあってか、緊張とプレッシャーの中でも崩れることなく、最終日の20ホールを二人三脚で完走した。

優勝スピーチでも、優勝会見の席でも、西山はしきりに芹澤への感謝の気持ちを口にした。「いつもどこか自信がなかった」というプレーを、今週は師匠が最大限に引き出してくれたと喜んだ。「(師匠と離れて)これからが本格的な戦い。いただいたアドバイスを胸に刻んで、自分のゴルフを作り上げたい」。

実家で寿司屋を営む両親、姉夫婦は夏の休暇を取り、応援団を含めて総勢約15人で観戦に訪れた。母・秀子さん(65)は「生きた心地がしませんでしたよ」と目を真っ赤にして、娘の勇姿を見届けた。(北海道北広島市/糸井順子)

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2015年 meijiカップ



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