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菊地絵理香はまたもV逸…勝者アンとは何が違ったのか?

アン・ソンジュの2週連続優勝で幕を閉じた「富士通レディース」。最終組のアン、菊地絵理香横峯さくら3人によるプレーオフ決着のせいもあって、結果だけ見ると存在感はかすむが、18番グリーンを迎えるまで主役を務めたのは、初日から1打差追走を続けてツアー初優勝を目指した菊地だった。

今大会で「前週の優勝で体力的に疲れて体が重い」と訴えていたアンが3、4番で連続ボギーをたたいたことで順位が入れ替わり、単独首位で勝負のサンデーバックナインに入った菊地。17番ティグラウンドでは、3連続バーディで迫った横峯に1打差、そしてスコアの落ち着いたアンにも2打差をつけ、2人の賞金女王経験者を相手に単独首位をキープしていたのだ。

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優勝争いと呼んでいいトップ5フィニッシュを2008年のプロデビュー以来実に8度も経験している菊地は、実力は優勝に十分、とツアー関係者に評価されるようになって久しい。本人も「このチャンスをものにしたい」と意気込んでいた。だが、残り2ホールとなった17番(パー3)ティショットで空気が変わる。グリーン奥へオーバーさせ、アプローチもピンを2.5mオーバー。パーパットはカップの左をすり抜けボギーとした。

「アドレナリンが出てたのか、良いショットだったので飛んじゃいました。ボギーになったけど、まだ1打リードがあったので、焦りはなかったです」と本人は冷静だったことを強調して振り返った。確かに横峯もボギーだったため、18番ティグラウンドでは、アンと横峯に1打差の首位を守っていた。

しかし、この日最後となるはずだったティショットを右のフェアウェイバンカーへ入れ、3オン2パットの連続ボギーでプレーオフへ。プレーオフでは、正規の18番で入れた右バンカーを嫌って、1打目を左ラフに入れ、2打目がグリーン手前の深いバンカーにつかまって万事休した。

形の上では自滅。NEC軽井沢72に続く今季2度目のプレーオフ負けで、2位の記録を3度目に増やした。混戦を招いた張本人で、勝利もさらったアンが、「本当に勝てると思っていなかった。体調が悪いので、歩くのもつらいです」と体調不良を強調しただけに、プレーそのものよりも気持ちや運が対照的に見えた。

アンは「今日は自分の日じゃないと思って、さくらさんと絵理香ちゃんのゴルフをギャラリー感覚で見ていました。18番だけは2日間ボギーだったので、絶対にパーを取りたいと思った」をモチベーションにしていたという。

狙い通りにパーセーブして、最後は勝利の一打となる5mのバーディパットを沈めたのは実力があればこそ。だが、言葉を額面通りに受け取れば、プレーオフに進出したことも、今季5勝目を手にしたことも、言ってみれば、“おまけ”みたいなものだったということだ。

試合後の菊地は「前回(のプレーオフ)よりは冷静にプレーできたけど、勝てなかったのは残念です」と淡々と心境を話すしかなかった。どうやったら勝てるのか? 未勝利選手なら誰もが抱く自問自答の底知れない深さを思い知らされた。(千葉県千葉市/本橋英治)

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2014年 富士通レディース



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