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<超・感覚派! 手嶋多一が貫いてきた俺流とは>

練習しないプロというのは前から知っていたが、これほどとは思わなかった。半分は、リップサービスでちょぴり大げさに冗談を言っているのだろうと思っていたが、そうじゃなかった。

手嶋多一は、本当に練習しない人だった。先週の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」で、それが判明した。

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今季自己ベストの5位タイにつけたのは、所属先ミズノが主催する先月の「ミズノオープン」。ホストプロとしての重圧は、何年経っても慣れるということはない。まして大会は全英オープンの日本予選をかねており、二重のプレッシャーがあった。「そこで耐えて最終日に60台が出せた。自信になります」。

昨シーズンあたりから、シード権の確保にさえ苦労するようになり、その翌週には1週間のオープンウィークに、さすがのこの人でもすわ練習だ、調整だ、と気合いが入って当然だろうと思いきや、なんと手嶋はキャディバッグを丸ごと、2週後の会場となる北海道に、さっさと送ってしまうのだ。本当に、パターの1本さえ持ち帰ることなく「得意の完全休養です」。

ゴルフのことなどそっちのけで向かったのは佐賀県の嬉野温泉にある「メルヘン村」。花とリスをテーマにした「森の遊園地」とやらで、2歳の長男の泰斗(たいと)くんと心ゆくまで戯れたが、それも今に始まったことではない。

「持病の腰痛予防」を理由に、30歳の声を聞いた頃から、オフも、空き週も、ラウンド後の練習さえも、手嶋は頑固に“拒んで”来た。「スイングを固めようと、一生懸命になればなるほどプレッシャーがかかってダメになる。だから調子の良い時ほど練習しない」との言いぶんはしかし、ちょっぴり嘘で、実は「調子が悪いときも練習しない」。

だからもちろん、今年は開幕までの約3ヶ月間も「月一ゴルフ」でシーズンインした。「僕はあまりメカニックに考えない。テンポやリズムを大事に、勘でやるタイプ」とのやり方を、かたくなに貫いてきた。いま、ツアーでは同じ40代の谷口徹藤田寛之の大活躍にも「刺激は受ける」としながらも、だからといって自分流をそう簡単に変えたりしないのは、なるほど芯の通った九州男児である。そしてジュニア時代には“怪童”と呼ばれた、根っからの天才肌なのである。

先週の最終日には、自身ツアーで2度目となるホールインワンを達成してV争い。結局、4打差で5年ぶりのツアー通算7勝目には及ばなかったが、2試合連続のトップ5入りに、今年はシード権の確保にも早めにめどがついた。こうして“練習しなかった成果”をきちんと出してしまうあたりは、やっぱりさすがベテラン!?

今週から再び2週間のオフは、「キャディバッグを自宅に送って、練習します」と珍しく殊勝に言って帰ったが、実際はどうだか。あれほどの頑固者が、今さらそうやすやすと折れるとも思えない。

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