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「最近じゃ上から目線で」谷口徹の奮起の理由

◇国内男子◇中日クラウンズ 初日(27日)◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知県)6545yd(パー70)

アオキとジャンボにはもちろん及ばないが、難攻不落の和合でベテランが気を吐いた。49歳の谷口徹が5バーディ「65」をマークして5アンダー。首位に1打差の3位タイと5シーズンぶりのツアー通算20勝目へ好スタートを切った。

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出だし1番で6mを決めた谷口は、その後4m以内のチャンスを確実に活かしてスコアを伸ばした。17番(パー3)では難しいグリーン左バンカーから2mに寄せてパーを拾う。最終18番は残り160ydの2打目をピンそば2m強に付けてバーディフィニッシュ。最初に想定した7Iから「6Iで軽く」というチョイスが正解だった。

プロ26年目、シニア入り目前の今季は「テーマは“ヤル気を出さないこと”」だという。そのまま受け取れば語弊がある。真意は「ショットでボールを無理に叩きに行かず、ボールをコントロールする」のを重視すること。近年はウエイトトレーニングに励み、筋肉増強に集中していたが、本来のスイング中のバランスを崩していたことに気付いた。ジムでは器具の重量を抑え、体幹を鍛える運動を反復するようシフトチェンジした。

モチベーションになるのは親交を育んできた後輩たちの活躍だ。「うちの“エース”が頑張っている」。首位発進を決めた今平周吾は、“谷口道場”の門を叩いてきた多くのプロのうちの若手有望株。最近は技術を教え込んできたはずの彼らのショットに羨望の眼差しさえ向けている。「今平、小平智…。あの2人はボールの捕え方が本当にうまい。最近は“上から目線”で色々言われるわ」。前夜は武藤俊憲大堀裕次郎を連れて寿司をつまんだという。

もちろん、まだ老け込むつもりもない。「ゴルフってそういうもの。飛ぶだけが重要なんじゃない。自分のものを作り上げないと」。今週の相手は6545ydと戦略性が大いに問われるコース。年の功がモノをいう舞台でもあるはずだ。(愛知県東郷町/桂川洋一)

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