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あきらめの悪い男・谷原秀人 マネーキングの先にあるもの

◇国内男子◇HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 最終日(6日)◇総武カントリークラブ 総武コース (千葉)◇7214yd(パー70)

「あきらめの悪いオトコで良かったです」。賞金王争いで火花を散らす2人の直接対決を制したのは谷原秀人だった。首位から3バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの「70」で回り通算12アンダー。4打差を追い上げた池田勇太とのプレーオフを制して、大会連覇、今季3勝目をマークした。

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前半1バーディに留まった谷原は、折り返しの10番で手痛いダブルボギーを喫してリーダーボードトップの座から陥落。「メンタルは崩壊」と振り返ったものの、池田を追う立場となった終盤に息を吹き返した。

「あと3つバーディを獲って行こう」と気持ちを切り替えて迎えた16番(パー3)。カップはグリーンの左に切られ、ショートサイドに外せばボギーは必至。それも恐れずピンそば1.2mにつけてバーディをもぎ取ると、続く17番では、左のセミラフから残り127ydの第2打で「今日イチくらいのショット」を披露。フェードボールでピンそば2mを捕えて連続バーディとし、池田に並んだ。

18番で行われたプレーオフ1ホール目は両者パー。2ホール目、左のフェアウェイバンカーから残り147ydの第2打を9Iでピン奥に乗せ、4mのバーディチャンスを作った。池田は2.5m強のパーパットを残していたが、谷原は「勇太も絶対入れてくる。自分が決めなきゃ終わらない」と、フックラインを読み切って勝負を決した。

開幕前からショットに不安を抱えていた今週、前日3日目のラウンドを終えた練習場で「なんとなくつかんだような気がした」と、わずかな復調の手応えを感じたという。「これだけ調子が悪い中で勝てたことは過去にも初めてだと思う。メンタルも悪いなりにパターを入れて粘って、最後まであきらめなかったこと。とにかくショットでギャラリーを感動与えられたらいいなぁと思ってプレーしたこと。それらが全部うまくいった感じ」と勝因を語った。

優勝賞金4000万円の加算で今季の獲得賞金を1億5614万4,370円に積み上げ、3週ぶりに賞金ランキングのトップに返り咲いた。4試合を残して同2位に後退した池田に1268万6667円の差をつけても「安心はできない」と、油断はない。終盤戦は高額賞金のかかるビッグトーナメントぞろい。「残り4試合のうち、あと最低1試合は勝ちたい」。賞金王戴冠に向けての言葉だが、その先には年末の世界ランキング50位以内入り、2007年以来の2度目の「マスターズ」出場という大きな目標がある。(千葉県印西市/糸井順子)

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