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“神っていた” 谷原秀人が8時間超の熱戦制す

午前9時20分にティオフして、プレーオフが終わったのは午後5時25分。8時間以上を費やして初めてつかんだメジャータイトルに、谷原秀人は「本当にめちゃくちゃうれしい」と満面の笑みを浮かべた。北海道クラシックGCで行われた「日本プロ日清カップ」の最終日、9バーディ、ノーボギーの「63」(パー72)を叩き出して3打差を追いついた谷原は、プレーオフ1ホール目で武藤俊憲を撃破した。

スタートしてすぐ目にしたのは、首位から出た武藤の5連続バーディだった。「この人なにやっているんだ!?って感じですよ。でも、それでくじけるワケにはいかなかった」と、谷原はがむしゃらに食らいついた。

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9番ティで雷雲接近のため1度目の中断となった。再開後、首位と3打差で迎えた14番は1オン可能なパー4。先にティショットを打った武藤は、ピンをかすめて奧のラフへ。続く谷原のティショットは、カット気味に入って右手前のハザード(池)へと消えていった。「これで終わりかと思った――」。

この球の落下位置を確認している最中に、2度目の中断を告げるホーンが鳴った。約1時間後の再開まで、選手たちは14番グリーン奧に停めたワゴン車で待機した。

「待っていて寒いし、腰はカチンコチンだった」というが、再開直後の3打目をピンそば30センチにつけてパーセーブ。「全米オープンでは(中断が)3回ありましたから。気持ちだけは、ベテランだと思っていた」と谷原は強がった。

その14番をバーディとした武藤との差は4打に開いたが、「残り4ホール、全部バーディを獲れば追いつく」と気持ちは微塵もくじけなかった。

16番(パー5)は1W、3Wと強振して2打でグリーン手前まで運んでバーディ奪取。「楽には勝たせねぇぞ」という気持ちが武藤のボギーを呼んだのか、その差は2打に縮まった。

続く17番では「5発打っても入らない」と振り返った7mのバーディパットをねじ込み、ガッツポーズ。「最後まで楽しいぞ」と1打差で迎えた18番で、武藤が再びボギーをたたいて、両者は並んだ。

プレーオフ1ホール目に、林の中から3Wでグリーン手前まで運んでパーとすると、武藤のパーパットはカップのふちで止まって勝負あり。「良いスコアの人が勝つ勝負。運もないと勝てないので、(広島)カープじゃないけど“神ってました”」と谷原は自賛した。

ツアー通算13勝目で初のメジャータイトルを獲得した。「メジャーを獲れていないのは、寂しい部分があったので、ちょっとすっきりした」と2週連続の勝利に酔った。「全米オープンから連戦して、まあまあ疲れているけど、あと一踏ん張り」と、その勢いのまま「全英オープン」へ向け渡英する。(北海道安平町/今岡涼太)

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