ニュース

国内男子日本オープンゴルフ選手権競技の最新ゴルフニュースをお届け

アダム・スコット 台風余波で開幕前日の来日に

国内男子ツアーの今季メジャー第3戦「日本オープン選手権競技」は16日(木)から千葉県野田市の千葉カントリークラブ梅郷コースで行われる。主催者推薦選手として出場する現在世界ランク2位のアダム・スコット(オーストラリア)は、日本列島を縦断した台風19号の影響で来日が遅れることになった。

スコットは当初13日(月)の夜にチャーター機で来日し、14日(火)に当地で行われるプロアマ戦に出場する予定だったが、悪天候の影響でフライトスケジュールを延期。開幕前日15日(水)の到着後、練習ラウンドでコースチェックを行うことになった。

2012年の「マスターズ」を制したスコットが日本ツアーの試合に参戦するのは、2007年「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来7年ぶり。予選ラウンドは賞金ランクトップの藤田寛之、8月の「全米アマチュア選手権」を制したヤン・ガン(韓国)と同組になった。

関連リンク

2014年 日本オープンゴルフ選手権競技

アダム・スコット米国PGAツアーを主戦場とするアダム・スコットが、毎週の試合で着用するウエアのコーディネートは、東京・六本木の同社オフィスから発信される。商品開発、デザイナー、マーチャンダイザーに至る少数精鋭のスタッフが、数ある商品の中からポロシャツ、パンツ(ボトムス)、ベルトの組み合わせに知恵を出し合っている。試合の2週前に海を渡る段ボール箱の中には、本戦4日間のほかトーナメント前の練習日、プロアマ戦を含む全部で6日分、そしてシーズンオススメのウエアを加えたアイテムの数々がぎっしり。プライベートの時間でも愛用している薄手のインナー、エアリズム(AIRism)も絶対に欠かせない。
同社のモデルは、ゴルフ場を離れても気軽に着用できるLifeWearだ。スコットとの共同開発で世に出たドライストレッチパンツは、コースで戦う上での機能性が普段の生活の場に大いに還元されたもの。彼の要望として取り入れられた高い伸縮性、速乾性や軽量感は、カジュアル、ビジネス等のシーンを問わず重宝されている。スタイリングにおいても、ファッションデザイナーの滝沢直己氏の監修のもと、レディ-・ガガのスタイリングをも手がけたニコラ・フォルミケッティ氏がプロジェクトに参加。ビッグネームの協力も得て、両者の融合を追究している。
ちなみにスコットお気に入りのカラーリングは、シャツとパンツを同色で統一するスタイル。黒、ネイビーの単色コーディネートの日は、一層気合が入っているのかも?

アダム・スコット「ジェントルマン」はアダム・スコットを表現する言葉として、最も的を射ているフレーズだ。直接折衝を担当するユニクロ・グローバルコミュニケーション部の蓑輪光浩氏は、かつて某スポーツメーカーで多くのプレーヤーと仕事をしてきた経験があるが「サインを求めて『My pleasure(こちらこそありがとう!)』と答えてくれた選手は初めてでした」と言う。プロ車いすテニスプレーヤー・国枝慎吾をはじめ、錦織圭、ノバク・ジョコビッチといったトップテニス選手のウエア開発にも携わってきた商品本部の田中敏氏が驚いたのは「ジョコビッチ選手と同じく勝ちにはこだわりつつも、テニス以上に自然が結果を左右することがあるゴルフと言うスポーツの特性も受け入れる懐の深さを感じる」という、その穏やかな人間性だった。
雄大な南太平洋を望むゴールドコーストで育ったスコットは、ゴルフ、そして海とともに自身の成長を育んできた。大のサーフィン好きが選んだバハマの自宅は、目と鼻の先にビーチがあり、素潜りでモリを持って獲物を捕らえるスピアフィッシングにも興じる。ところで、スコットは学生時代に日本語の授業を選択していた時期があり、ひらがななら多少理解できる。米国で戦う日本の松山英樹や石川遼のよき兄貴分としての振る舞いも、自然と納得がいくものだ。

アダム・スコット今年9月初旬。ユニクロのスタッフのもとに米国で転戦中のアダム・スコットからメールが届いた。「Big Day for UNIQLO!」―― 日本のスポーツ界が震撼したテニス全米オープン。錦織圭が快進撃を続け、ともにユニクロと契約するノバク・ジョコビッチと準決勝を戦う直前のことだった。マスターズチャンピオンも日本のファンと同じように、ニューヨークに熱く視線を注いでいたのである。
それもそのはず、スコットとテニスとの間には切っても切れない縁があった。同じオーストラリア出身で、4大大会通算2勝のレイトン・ヒューイットとは1歳違いで大の仲良しで、どちらもバハマに家があり、オフにはトレーニングを一緒にすることもある。さらにスコットの現在のマネージャーは、かつてヒューイットのサポートをしていたという間柄。もちろん自らもラケットを手に取り、汗を流す。
ジョコビッチとは昨年、ニューヨークで対面し、ドライバーをプレゼントしたスコット。錦織選手も10代の頃からフロリダIMGアカデミーで育ち、女子プロゴルファーの宮里美香と親交があり、ゴルフは趣味のひとつだとか。日本のファンとしては今後、トップアスリート同士の異色のコラボも期待してしまう。

アダム・スコット2013年「マスターズ」。アダム・スコットは、オーガスタの雨が染み込んだユニクロのポロシャツの上にグリーンジャケットを羽織った。開幕直前に契約が発表され、これ以上ない形の“デビュー戦”を喜んだ同社スタッフは「ゴルフ界に大きな声で“Say Hello”が言えたことが大きかった。スポーツメーカーでない我が社の内部においても、すぐに協力体制ができた」と話す。ポロシャツは優勝前の実績を大幅に上回る数が売れ、ベルトは全国で品切れになった。
ゴルフ部門への進出はユニクロの哲学「MADE FOR ALL」に立ち返るものだった。世代や性別を超えた“国民服”をプロデュースする同社が、老若男女がプレーできるゴルフ産業に足を踏み入れたのは自然な流れ。ともすればビジネスの場にも似つかわしいLifeWearが好まれるゴルフは、コート内における高い機能性に特化したテニスとはアプローチの方法が異なったが、それこそがスコットが求めたものだった。
あらゆるスポーツにおいて、契約メーカーに自身の特別ブランドや、一般市場には出回らないモデル提供を求めるプレーヤーは多い。だが彼は違う。誰もがリーズナブルに手にできるウエアを軽快に着こなし、世界最高のツアーで戦っている事実がある。そして、スコットは大きなビジョンを持って言う。「2万円もする高い服を着てプレーするゴルファーは本当に幸せだろうか?そんな世界を、ユニクロとなら一緒に変えられる」と。スコットとユニクロの二人三脚での歩みは、まだ始まったばかりだ。



あなたにおすすめ


特集SPECIAL

宮本卓×GDO 旅する写心
ゴルフフォトグラファー宮本卓×GDOのスペシャルコラボコンテンツ。国内外のゴルフ写真を随時更新中!!
やってみよう! フットゴルフナビ
サッカーとゴルフが融合した新スポーツ「フットゴルフ」の総合情報サイトです。広いゴルフ場でサッカーボールを蹴る爽快感を、ぜひ一度体感してみよう!

ブラインドホールで、まさかの打ち込み・打ち込まれ!!ゴルファー保険でいつのプレーも安心補償!