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ベテランキャディの“スカウト”にビックリ 織田信亮が大物に囲まれた2日間

◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 2日目(15日)◇札幌GC輪厚コース(北海道)◇7066yd(パー72)◇晴れ(観衆1570人)

「プロゴルファーとして100%大成するとは限らない」――。織田信亮が昨年卒業した福井工大で専攻したのは原子力技術応用科だった。企業に就職する可能性も考えての選択でも、この日の高揚感を味わえばツアーの第一線で活躍する自分以外は想像できない。

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ウェイティングから出場枠が巡ってきたのは初日の朝。腰痛で欠場した永野竜太郎のオルタネート(補欠)として入って間もなく、「織田くんだよね?」と声をかけられた。永野のキャディを務めるはずだった大溝雅教さんが、そのまま織田のバッグを担ごうと“スカウト”しにきた。「小平智さんのキャディとしてだったり、昔から知っているかた。“本当にボクでいいんですか?”って、ビックリしちゃった」。恐縮しながら急いで帯同キャディ登録を済ませ、お願いすることにしたという。

ペアリングを確認すると、フィールドに滑り込んだ喜びが吹き飛んでしまいそうなほどのプレッシャーを感じた。同組には石川遼谷原秀人。「緊張で破裂するかと思った」と、まさかの注目組で開幕を迎えた。

QTランク44位でシーズンに入った今季、6試合に出場したレギュラーツアーで結果を残せずリランキングは56位。現状はウェイティングから出場機会を待つことが多い身だ。

まだまだ慣れないギャラリーからの視線に加え、隣を見ればベテラン選手とベテランキャディ。緊張感を高める要素はたくさんあったが、「やれることをしっかりやって」と必死に呼吸を落ち着かせた。大溝さんの「大丈夫、大丈夫。ショットが荒れても大体でいいよ」というアドバイスを助けに、第1ラウンドでは後半アウトで2イーグルも奪った。

「緊張もしたけど、楽しくゴルフができて、とても勉強になりました」。通算6アンダー暫定13位と決勝進出が確実なポジションで刺激的な予選ラウンドを終え、限られたレギュラーツアーの週末でとにかく上を目指す。第2ラウンドが日没順延となったため、コースを出る時点では第3ラウンドの組み合わせはまだ出ていなかった。「あしたはどんな組でも、自分のプレーができたらなと思います」と、この日の経験がまたひとつ心を強くした。(北海道北広島市/谷口愛純)

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