2019年 カシオワールド

石川遼 “不満”のノーボギーと小学生へのギフト

2019/11/28 18:20
同組でプレーした左から堀川未来夢、石川遼、浅地洋佑。この日は3人ともノーボギーで思わず記念写真…

◇国内男子◇カシオワールドオープン 初日(28日)◇Kochi黒潮カントリークラブ(高知)◇7335yd(パー72)

トップとは3打差の滑り出しにも表情が浮かない。賞金ランキング5位の石川遼は3バーディ「69」で回り、3アンダーの14位タイ。前週の「ダンロップフェニックス」第3(最終)ラウンドに続くノーボギーにも「チャンスに付けたいところで付けられなかったのが4回、5回あった」と不満をのぞかせた。

ホールアウトした直後、同じ組でプレーした堀川未来夢浅地洋佑を呼び寄せた石川は3人でカメラに収まった。厳しい寒さと雨というコンディションにもかかわらず、組全員がボギーなしという一日。「最後のほうはみんな意識していた。僕が(後半)8番で(第1打を)左奥のバンカーに入れてボギーを打ちそうになりましたけど。(3人ともノーボギーは)なかなかない」

笑顔で肩を組んだ一方で、内心は満足とはいかないらしい。「曲がったときになんとかリカバリーできた。リカバリーが良かったと思います。なんとか、ガマンして良いパーパットも決められた」というのが自身のプレーに対する評価。奪ったバーディは、残り約105ydをSWでピンそばにつけた出だし10番と最終9番、グリーンエッジからチップインさせた折り返しの18番(パー5)の3つ。フェアウェイキープ率35.71%のティショットから、なんとかパーを重ねた格好だ。

所属契約を結ぶカシオ計算機との協力で、年間の国内ツアーで獲得したバーディ(以下含む)数に応じ、電子辞書を小学生に寄贈する「バーディチャレンジ」を実施している。昨季実績では276台(3イーグル273バーディ)を高知県、栃木県、静岡県の学校に贈った。

今季はこの初日を終えた段階で263台分(8イーグル255バーディ)を稼ぎ、次週の「日本シリーズJTカップ」を含めれば昨季実績を上回りそう。「アイアン(ショットの向上)で去年の3分の2、半分くらいの(ピンまでの)距離に付いている感じがする。もちろん、アイアンが打てるところにティショットが行っているところもある」という。

そう理由を分析しても、静かな展開は心の底で望んだものでもない。「ノーボギーなら4つ、5つ以上バーディを獲りたかった。5コ取っていたら、2コはボギーを打っていたかもしれないけれど、内容的には同じ3アンダーでもそっちのほうが好きかな」。もちろん、子どもたちへのギフトもその分増える。(高知県芸西村/桂川洋一)

2019年 カシオワールド