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<堀江×川淵5>本気でゴルフ振興を考える人はいるか?

2016/09/28 10:39

川淵三郎氏vs.堀江貴文氏 対談その5

ゴルフ界における効率の悪い組織群への疑問 ゴルフ界における効率の悪い組織群への疑問をぶつける堀江貴文氏

【堀江貴文氏(以下、堀江)】スポーツ組織って、アマチュアの組織とプロの組織と、結構ゴチャゴチャした部分がありますよね。

【川淵三郎氏(以下、川淵)】プロとアマの垣根がないのは昔からサッカーが一番かな。野球もプロとアマの境があるでしょ。ゴルフもプロとアマの境があって、いまどきこんなね…。

【堀江】ええ。

【川淵】JGA(日本ゴルフ協会)の平成28年の事業計画を見てみたら、アマチュアゴルフファーに関する文言ばかり。JGAはプロを見ていなくて、アマチュアだけを見ているということでね。プロとどう交流を深めて振興していこうという思想がない。ゴルフの発展を考えるのであれば、プロだのアマだのと言っていては話にならないですよ。

関連リンク:JGAの平成28年度事業計画

【堀江】特にゴルフは伝統的にアマチュアが強いですからね。それに、日本はJGTO(日本ゴルフツアー機構)やPGA(日本プロゴルフ協会)の関係もなんかゴチャゴチャしていますよね。

【川淵】ゴルフは関連団体が多すぎますね。2009年にゴルフ新年会に呼ばれて話をしに行ったんですが、その時にゴルフ関連団体の人たちが十何組織(注:当時は16団体)来たんですよ。え、何でこんなにあるの!ってくらい。

【堀江】そうなんですね。

【川淵】今はゴルファーの数が減っているんだから、本来はトップアスリートと草の根のバランスをとって、各団体が同じ方向に足並みをそろえてゴルフの普及振興をしていかなくちゃいけない。それなのに、それぞれの団体が勝手気ままにやっているんだから。これでは話にならないですよ。

【堀江】面白いのは、日本のゴルフ界というのは、今のところ沈み行く斜陽産業であるにも関わらず分裂しているところで、一番駄目な状況になりつつありますよね。

【川淵】本当にそう。

【堀江】その間に、むかし馬鹿にしていたアジアンツアーなんかがどんどん伸びてきている。今では欧州ツアーと一緒にやったりしていますからね。

豪腕。だけど、誰よりもそのスポーツ界のこ 豪腕。だけど、誰よりもそのスポーツ界のことを考えている川淵三郎氏

【川淵】結局、本気になって日本のゴルフの普及振興を考える人がいないんですよ。日本サッカー協会はプロもアマも全部一緒ですからね。僕らの時代からプロとアマが一緒にやっていいというのが前提だったから、感覚が違うんです。ゴルフはどちらかというと、ラグビーと似ているんですよ。日本のラグビーはお金を取るなんてとんでもないっていう、アマチュアリズムの権化だったから。今はだいぶ変わってきたけどね。今日は(JGAの事業目標に目を通して)久々にアマチュアという言葉をたくさん見たけれど、それは時代錯誤だね。

【堀江】もう日本バスケットボール協会は辞められたんですか?

【川淵】6月で会長は辞めました。FIBA(国際バスケットボール連盟)には、僕が会長をやらないとガバナンス(統治)がうまくいかないから続けてほしいと言われたけど、もうすぐ80歳になるし、定款で会長の定年も70歳と決めている。僕は後ろ盾としてしっかり見て、ちゃんとした会長を立ててやるからということで、なんとか認めてほしいと。それで、結局エグゼクティブアドバイザーという、理事じゃないけど、理事会に出て発言して指導できるという特別なルールを作ることになった。Bリーグも今度、孫さん(正義/ソフトバンクグループ社長)がスポンサー(スポナビライブ)で来てくれたけど、やっぱり孫さんも僕がいるからサポートしてあげようと言ってもらっているので『ちゃんと携わっているよ』という形で見ていかないといけないから。それに(協会の)OBが本当にうるさい。

【堀江】そんなにうるさいんですか?

【川淵】うるさい。考えが旧態依然としていて、だから40年間もオリンピックに出られなかった(注:男子は1976年のモントリオール大会を最後に五輪出場がない)。あるとき、3人のOBが『強化は俺たちに任せてほしい』って僕のところにきた。笑わせるんじゃないよって。日本人が指導してバスケットボールが強くなると思っているんですか!?って。有能な外国人指導者を呼ばないと絶対にダメ。日本人が指導している限り、日本のバスケットボールは強くなるわけがない。ごちゃごちゃ言うから、二度と僕の前に現れるなって言って、それから会っていない。そんなことをよく言ってくるなって。サッカーなんかじゃ信じられない。日本の指導者がずっと指導してきて、世界の檜舞台に立てなかったわけでしょ?

【堀江】そうですね。

【川淵】バスケの場合、とくに外国の指導と日本の指導では、まだ相当の差があるわけだから、日本のバスケを強くするためには外国人コーチを入れないと絶対にダメ。

【堀江】なんでそんなに閉鎖しちゃうんですか?

【川淵】外から人を入れようとすると『なんでそんなのを呼ぶんだ。日本人がいい』とか言うOBがいっぱいいる。学閥、派閥がもう大変。僕はそういうのは完全に無視して、元バレーボールのオリンピック代表選手(注:2006年にはJリーグ理事)の三屋裕子さんを会長にしたわけ。ある関係者は、サッカー界に乗っ取られたとか言ってたよ。乗っ取られたじゃなく、何もできていないバスケットボールをなんとか良くしてあげようと思って、サッカー界から人材を出しているのに。こんな協会だれが乗っ取りたいと思うんだ!ってね(苦笑)。相当やったよ、1年間。

(続く)

(取材構成/編集部・今岡涼太)