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<堀江x高岡 2>「“ポジティブなニュースをブランドでどう作るか”ということが、これから求められるクリエイティビティだと思う」

2014/09/09 10:00

ネスレ高岡浩三社長x堀江貴文 対談その2(全4回)

キットカットの受験キャンペーンでは、山手 キットカットの受験キャンペーンでは、山手線の車体も広告媒体として利用した(提供:ネスレ日本)

ネスレ日本高岡浩三社長と堀江貴文氏の対談は、広告のあり方について踏み込んでいきます。ソーシャル社会、ものが溢れた時代にどうやって顧客の心を掴んでいくか。ニュース(話題)を作ることの意義について語られます。

【堀江貴文氏(以下、堀江)】テレビを使わないやり方って僕は結構注目していて、まあ言ったらもともと御社は、テレビを使ってプロモーションしまくっていた会社さんじゃないですか。でも、例えば“キットカット”みたいな誰でも知っているブランドって、もうマスでリーチしてもみんな知っているから新規のお客さんが来るとかほとんどないわけじゃないですか。

【高岡浩三氏(以下、高岡)】そう、そうなんです。

【堀江】これから生まれてくる子供達ぐらいですよね。それ以外の人たちは、まあキットカットを必ず買う層っていうのがいて、その層が月に1回買っていたのを週に1回とか毎日買うようにする、みたいな戦略ですよね。それってやっぱり、ソーシャルネットワークとかそっちの方から攻めて行くってことですよね、多分。

【高岡】そうそう。もともとはねえ、12、3年前かな。キットカットの受験キャンペーンっていうのを、僕がまだ子会社の社長の前、マーケティング本部長の時代にやったんです。やっぱり、テレビ広告の威力が段々なくなってきて。おっしゃる通り、もう当時すでにキットカットは誰でも知っている。テレビとかマスメディア広告の効果って、まったく新しいブランドとかサービスを認知してもらうには、今でも有効なんですね。

【堀江】そうですね。

【高岡】だけど、もう皆さんが知っているものに対してはあまり意味がない。特に新興国から先進国になっちゃうと、その広告メッセージの力って極端に落ちるんです。これはグローバルで商売しているネスレだから分かるんです。日本も結局、テレビ広告がすごく良かった時代はやっぱり新興国なんですね。

【堀江】んー、ですねぇ。

【高岡】高度経済成長期なんですよ。みんな物が欲しくてしょうがなかった時代。だけど今は僕らの子供時代と違って、生まれたときから物が満ちあふれている。今の子供たちが何をしているかって言うと、サーチ(検索)で買うか買わないかを決めているんであって、広告でなんか誰も決めていない。だから、その広告に頼っているビジネスモデルが問題だと。それで、ニュースを作ろうという戦略を決めて、出来上がったのが受験キャンペーンです。

【堀江】すごい。僕は正しいなと思っていて、ごめんなさいライバル会社かもしれないんですけど、僕は全然関係なくてロケットを作っているんですよ。

【高岡】へー、すごいですね。

【堀江】はい、小型格安のロケットを作っていて。アメリカのIT起業家ってみんな宇宙に行くんですけど、日本のIT起業家はたぶん僕ぐらいしかやってない。ロケットって大量生産しないんで、安くならないんですよ。

【高岡】確かに。

【堀江】あと先進技術ばっかり使っているから安くならない。だから枯れた技術で工業製品だと思って大量生産したら、確実に今の100分の1ぐらいのコストになるんですよ。それを今作っているんですけど。

【高岡】へー。

堀江貴文
1972年福岡県八女市生まれ。東京大学在学中の96年に有限会社オン・ザ・エッヂを設立。エッジ、ライブドアと社名を変え、プロ野球球団やニッポン放送買収で世間の注目を集める。05年には衆議院の総選挙にも立候補したが、翌年に証券取引法違反で逮捕され、11年6月に収監。刑期を終えた現在はSNS株式会社のファウンダー兼従業員として活動を行っている。愛称はホリエモン。

高岡浩三 ネスレ日本社長兼CEO
1960年大阪府生まれ。1983年神戸大学経営学部卒。同年、ネスレ日本株式会社入社(営業本部東京支店)。各種ブランドマネジャー等を経て、ネスレコンフェクショナリー株式会社マーケティング本部長として「キットカット」受験キャンペーンを成功させる。2005年、ネスレコンフェクショナリー株式会社代表取締役社長に就任、2010年、ネスレ日本株式会社代表取締役副社長飲料事業本部長として新しいネスカフェ・ビジネスモデルを提案・構築。利益率の低い日本の食品業界において、新しいビジネスモデルを追求しながら超高収益企業の土台をつくる。同年11月ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEOに就任。