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本間G、ボール事業本腰でライバルは『プロV1』

本間ゴルフが波に乗っている。同社はこれまで、直営店を中心に販売活動を行ってきたが、昨年「熱意系ゴルファー」に向けて発売した『ツアーワールド』を外部の専門店に供給開始。ゼビオ(175店舗)、二木ゴルフ(54店舗)などで実績をつくった結果、営業収益は前年同期比2割増という成果をあげた。

同社西谷浩司社長によれば、

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「新ブランドで獲得した新規顧客の売上が、そのまま国内売上にプラスされた格好です。これまでの"金ピカ"のイメージは払拭できたのではないでしょうか」――。

小田孔明イ・ボミら人気選手と契約を交わして「熱意系ゴルファー」にアピール。大型量販チェーンを前記2社に絞り込み、価格競争の回避策もとった。これらが奏功して、実売価格は定価の1割引程度に落ち着いている。

その余勢を駆って、新たな戦略を立ち上げる。ボール事業への本腰がそれで、具体的には、現在年間6万ダース弱のボール出荷量を、2016年までに3倍の18万5000ダースに引き上げる計画だ。

この数量は国内シェアの2・3%に当たり、ミズノのボール事業に匹敵する。現状、同社のボールは1ダース2000円以下の廉価品(BTQ‐3202等)が8割を占めているが、今後は中・高価格帯へシフト。構成比を7割ほどに引き上げて、存在感を高めていくという。

先陣を担うのが、2月21日発売のウレタンボール『TW-G1』、『同G1x』(1個500円、1ダース6000円+税)。ツアープロやトップアマの声を反映した2タイプで、藤田幸希がツアーで使用することも決まった。また、同社が行ったアマチュアによる試打テストでは、

「並み居るウレタンボールを打ち比べましたが、当社製が一番飛んで、止まるという結果が得られた。ライバルは『プロV1』です」(伊藤康樹マーケティング本部長)

と、早くもガチンコの様相だ。

ゴルフボールは"特許の塊"といわれるほど、多くの知財権があるため、後発メーカーは厳しいとされている。『TW-G1』シリーズは台湾製だが、近年は台湾メーカーの技術力が飛躍的に高まっており、ここと提携することで高性能なボールを商品化できるようになっている。

ボール事業は過去、一貫生産を前提とする「装置産業」とされたため、資本力のある大手の独壇場だった。また、事業歴が長いほど技術や特許の蓄積があり、ニューカマーへの参入障壁が確立できる。しかし、近年は韓国や台湾のメーカーにアウトソーシングするところが増え、ナイキ、ミズノ、マルマンなどが意欲的。この流れにホンマも連なった格好。

とはいえ、国内のボール市場はダンロップスポーツ、ブリヂストンスポーツに『タイトリスト』を加えた三強がシェア8割以上を握る寡占市場。プロ契約や広告宣伝費、広範な流通網を構築するなど、一筋縄ではいかないマーケットである。

敢えて参入するホンマの狙いは、ゴルフの「総合メーカー」へ脱皮することにありそうだ。今季は新たに谷原秀人高山忠洋とクラブ契約し、『ツアーワールド』の好調をテコにして、ジャンプアップを目論む。

登壇者:西谷浩司社長、諏訪博士酒田工場長、伊藤康樹マーケティング本部長、谷原秀人高山忠洋小田孔明、上井邦浩、J・パグンサン、上平栄道イ・ボミ笠りつ子、藤田幸希

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