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HOT LIST JAPAN受賞クラブ 開発者インタビュー Vol.7(テーラーメイド編)

HOT LIST JAPAN」で高評価を得たクラブは、どのように開発されたものなのか。開発担当者や企画担当者へのインタビューから、メーカー側の視点を探っていく。第7回目は、プロアマを問わずに“白い旋風”を巻き起こしているテーラーメイド。飛ばせるフェアウェイウッドとして話題のモデルについても、深く話を訊いた。

【2012 HOT LIST JAPAN 受賞クラブ】
ドライバー部門:ゴールド賞(R11S)
フェアウェイウッド部門:ゴールド賞(ロケットボールズ)
アイアン部門:シルバー賞(グローレ)

【担当者 プロフィール】
吉田安宏(よしだやすひろ)
1989年入社後、96年カールスバッドの本社に赴任し、2005年から米国でプロダクトクリエーションを担当。2009年に帰国後はプロダクトマーケティングを担当。現在は同ディレクターを務める。

FWには、まだまだ飛ばせる伸びしろがある!

GDO:今回ゴールド賞を獲得した「R11S ドライバー」は、HOT LISTでは特にローハンデのテスターからの評価が高く、革新性という評価項目ではトップにも輝きました。その進化した機能性について、教えていただけますでしょうか。

吉田:ドライバーとして進化しているところはたくさんありますが、機能面では新しいFCTスリーブを採用し、「R11」よりも調整幅を広げたうえに、より細かく調整できるようになっているのが特徴です。これによってより多くのユーザーにスペックを合わせやすく、扱いやすいモデルになりました。「R11S」は白いヘッドの2代目ということもあって見た目のインパクトは薄れていますが、実際に使用してみると、その性能と機能の進化を感じられると思います。今回は、そういった目に見えづらい部分まで評価していただいたようで、とても嬉しく思っています。

GDO:見えない部分というと、「R11S」ではヘッドの重心設定にも改良が加えられたようですね。

吉田:「R11S」にはヘッドの重心位置を低く前方へ設定する「ロー・フォワード CGデザイン」が採用されています。これによって「R11」よりも有効打点エリアを拡大し、高弾道かつ低スピンで飛ばせるようになっています。この「ロー・フォワード CGデザイン」は、他モデルのドライバーやフェアウェイウッドにも採用されている設計思想ですね。

GDO:「R11S」とともにゴールド賞を獲得した「ロケットボールズ フェアウェイウッド」は、とにかく飛ばせるとの評価で、巷でも大きな話題になって大ヒット商品になっています。このモデルの飛びのヒミツは、やはりソールに設けられた溝にあるのでしょうか。

吉田:ソールの溝は、跳び箱で使う踏み板のようなものを想像して頂ければ分かりやすいと思います。インパクトの瞬間に溝によってフェースを弾ませて、ボール初速をアップさせる効果を狙ったものです。しかし、この溝だけが飛ばせる理由ではなく、先ほど申し上げた「ロー・フォワード CGデザイン」によるところも大きいですね。日本専用ブランドであるグローレのフェアウェイウッドには溝がありませんが、こちらも低く浅い重心設計によって、実はかなり飛ばせるモデルに仕上がっています。

GDO:ロケットボールズのドライバーには、フェアウェイウッドのような溝が搭載されていませんよね。HOT LISTのテスターのなかには、不思議がっている人も多くいたようですが。

吉田:チタン製のドライバーはクラウンもフェースも薄く作れるうえにフェース面が大きく、わざわざ溝を設けなくても高い反発力を得られるからです。フェアウェイウッドのフェースは、ドライバーに比べると3分の1か4分の1ほどの面積しかありません。その小さなフェースでドライバーの弾きに近づけるために搭載したのがソールの溝だったのです。

GDO:なるほど。ロケットボールズのフェアウェイウッドは、「ロー・フォワード CGデザイン」と溝との両方の効果があってこそ飛ばせるのですね。

吉田:はい。それにこのフェアウェイウッドは溝を搭載した初代モデルですし、まだドライバーに及ぶほどのフェースの弾きを備えていません。設計に改良を重ねれば、さらにフェースの反発を良くしてボール初速をアップさせることが可能だと考えています。

GDO:さらに飛ばせるフェアウェイウッドが開発可能ということですね。それは期待が膨らみます(笑)。最後にシルバー賞を受賞したグローレのアイアンについても話を伺えますでしょうか。

吉田:グローレのアイアンは、テーラーメイド本社の開発陣と一緒に、ゼクシオよりもやさしく飛ばせるモデルを作ろうとの思いで開発したモデルです。ステンレスボディに0.8mmという極薄のマレージングフェースを使い、中空構造とキャビティのコンビネーションになっているのが大きな特徴で、メタルウッドで培われた性能を継承したアイアンとも言えます。ただ、ゴルファーによっては、このモデルの少しボッテリしたヘッド形状に違和感を持つ方もいらっしゃったようで、それが今回ゴールド賞を取れなかった理由かも知れません。ヘッド形状の良さと性能の両方を備えるのはかなり難しいことですが、それが次作への改善ポイントになると思います。



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