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HOT LIST JAPAN受賞クラブ 開発者インタビュー Vol.4(ダンロップ編)

HOT LIST 日本版」で高評価を得たクラブは、どのように開発されたものなのか。メーカー側の視点を探るべく、開発担当や企画担当者へのインタビューをお届けする。第四回目は「ゼクシオ セブン」。初代モデルから売り上げナンバーワンを記録し続けてきた「ゼクシオ」の7代目は、いかにして生まれたのか。

【2012 HOT LIST JAPAN 受賞クラブ】
ドライバー部門:ゴールド賞(ゼクシオ セブン)
フェアウェイウッド部門:ゴールド賞(ゼクシオ セブン)
アイアン部門:ゴールド賞(ゼクシオ セブン)

【山元 健 プロフィール】
ダンロップスポーツ株式会社、経営企画部(ゴルフクラブ商品企画)課長。

短くしても飛ばせるゼクシオ!企画ありきで開発がスタート

GDO:同一シリーズのクラブが3部門でゴールド賞を獲得したのは、「ゼクシオ セブン」だけです。これは、まさに快挙だとも言えます。

山元:企画担当として、とても光栄なことだと思っています。社内的にも大変喜んでいますよ。賞をいただくにしても、銀賞よりも金賞のほうがいいですしね(笑)。

GDO:「ゼクシオ セブン」を試打した「HOT LIST」のテスターからは、今回のゼクシオは今までとは少し違う、という意見が多く聞かれました。そもそも「ゼクシオ セブン」は、どういった経緯で開発されたモデルなのでしょうか。

山元:フェースの反発規制が導入された2008年から、各クラブメーカーが新しい飛ばしのテクノロジーを提案し始めました。市場に異形ヘッドのモデルが登場したのもこの頃ですが、日本ではあまり長く受け入れられませんでした。その次に生まれた技術のトレンドが長尺軽量化で、ゼクシオの5代目と6代目はその流れで開発されました。けれども、ユーザー評価、ゴルフ業界内でも、次第に長尺軽量のモデルでは、さほど性能の良さを体感しづらいと分かってきました。その結果、市場ではゴルフクラブ自体が評価されづらくなり、ブランド自体の価値と、値段の安さだけに重きが置かれるようになってしまいました。そこで「ゼクシオ セブン」は、本当にいいクラブであることを証明できるもの、原点回帰するモデルにしようという考えから開発が始まりました。

GDO:それが具体的には、シャフトの短尺化と、従来よりも重いヘッドの採用につながったのですね。

山元:ゼクシオの6代目では46インチの長尺シャフトを採用していましたが、これはヒューマンテストをした結果、46インチが飛距離を伸ばせる最長の長さだと分かったからです。46.25インチまで伸ばしてしまうと、ミート率が落ちてしまい、逆に飛距離を落としてしまいます。「ゼクシオ セブン」を開発するにあたっては、46.5まで伸ばしても、これまでと同じように振れてもっと飛ばせるモデルを作るか、もしくは短く振りやすくしても飛ばせるモデルを作るか、その2つの選択肢がありました。

GDO:短尺化するほうを選んだのは、どういう理由でしょうか。

山元:そのほうが市場にインパクトを与えられますから(笑)。もちろん他にも理由はあるのですが、まずはそういった企画ありきで、従来モデルからパーツ毎にどう進化させればいいのか、知恵を絞りました。

GDO:開発は順調に進んだのでしょうか。苦労した部分などはありますか?

山元:シャフトの開発に時間が掛かりましたね。従来モデルよりもヘッドが重くなり、短尺化しているにも関わらず、従来モデルと総重量とバランスは変えず、振り心地も向上させなければいけませんでした。当然、そこには自社のMiyazakiブランドでのシャフト設計のテクノロジーも活かされています。

GDO:確かにテスターたちからも、新しいゼクシオは振りやすくなったという意見が多かったです。歴代ゼクシオはもとより、これだけ「ゼクシオ セブン」の評判がいいと、次モデル開発へのプレッシャーはありませんか?

山元:ダンロップスポーツの会長である馬場からは、“ゼクシオは、従来モデルを超えるものでないと新モデルを発売してはならない”と言われています。難しいことですが、ゼクシオは、ユーザーの信頼を裏切るわけにはいきません。ユーザーのために良いクラブを作ろうという姿勢は、ダンロップスポーツの他ブランド「スリクソン」や「クリーブランド」でも同じです。次回の「HOT LIST」では、そういったブランドでもゴールド賞が獲れるように頑張りたいですね。



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