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2016年 ザ・メモリアルトーナメント
期間:06/02〜06/05 場所:ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)

デシャンボー、“1スイング”で帝王ニクラスを戦慄させる

米国男子ツアー「ザ・メモリアルトーナメント」では、大会ホストを務めるジャック・ニクラスとPGAツアープロたちが打撃練習場でデモンストレーションを行う開幕前日の“ゴルフクリニック”が、恒例行事となっている。

2012年には大会初出場の石川遼が6I、昨年はディフェンディングチャンピオンの松山英樹が4Iの打ち方を披露したが、今年その舞台で注目を集めたのはブライソン・デシャンボーだった。昨年覇者のデビッド・リングマース、期待の若手ジャスティン・トーマスに続いて登場したデシャンボーは、出だしから観衆のハートをつかんだ。

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普通は使用するクラブ1本を握って登場するところ、デシャンボーはキャディバッグを抱えて観客の目の前にドスン。「全部7Iの長さなんだけど、どの7Iがいい?」と笑いを誘った。

ニクラスから「彼は去年、全米アマと全米大学体育協会(NCAA)ゴルフ選手権のタイトルを獲った。私もブライソンのように同一年に2つのタイトルを獲ったけど、我々の間にほかに誰かやったっけ?」と問われると、「タイガーにフィルにライアン・ムーアです」「数人の幸運なやつらだな」「はい、僕を含めて(笑)」と軽妙な掛け合いで場を盛り上げた。

ニクラスのリクエストに応えて、7I、3Iと同じ長さのアイアンで数発のショットを披露した後、今度はデシャンボーがニクラスにこう呼びかけた。

「ちょっと、ここに立ってもらえますか?」そういって、自身の左隣に帝王を招き寄せた。「今からフルスイングをします。安全で楽しいので心配しないで。僕を信用していますか?」「ノー」と不安そうに肩をすぼめたニクラスだったが、デシャンボーはそのままテークバックを始めて球をヒット。インパクト直後にフィニッシュ位置へ素早くクラブを持ち上げる“ダミー”のフルスイングだったが、このトリックショットに観客は大満足だった。

最後に帝王の肩を抱き寄せると、ニクラスに「このクレイジーキッド」と言わしめたデシャンボー。観客だけでなく、ゴルフ界の偉大なレジェンドも見事に手玉にとってみせた。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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